ハリバートン「とにかくプレーの強度を上げたかった」
最終スコアは100-63。第1クォーターで10点をリードしたアメリカ代表は、第2クォーターを22-10としてリードを広げると、第3クォーターはさらにギアを上げて37-20と圧倒。イタリア代表に反撃の余地を与えず、この時点で83-44とリードを広げ、この時点で試合を決めた。
アメリカは1次リーグでは何の問題もなく勝利を重ねたものの、2次リーグに入ってモンテネグロ戦ではパッとしない出来に終わり、リトアニア戦では初の黒星を喫した。スキルは高く、運動能力でも相手より上なのに、ボールへの執着心が薄くてリバウンドやルーズボールを奪えない。チームは様々な問題を抱えているように見えた。
しかし、決勝トーナメントに入ったのを機にアメリカのメンタリティは変わった。リバウンドで51-33と圧倒。24得点7リバウンドのミケル・ブリッジズは「僕はずっとリバウンドで苦戦していたから、今回は本当にリバウンドを強く意識した」と言い、結果を出した。もともとリバウンドを得意とする選手ではないが、チームの課題が明らかな状況で手をこまねいているわけにはいかなかった。
18得点4リバウンド5アシスト3スティールを記録したタイリース・ハリバートンは言う。「僕たちには怒りの感情があった。試合に負ける屈辱を味わい、もうあんな思いは絶対にしないと決めていた。大事なのは出だしだった。とにかくプレーの強度を上げたかった。最初の数回のプレーが上手くいけば、みんな自信を持てる。試合開始から自分たちのペースを作りたかったんだ」
パオロ・バンケロはイタリアの誘いを断ってアメリカを選択したことで、試合開始前にはイタリアファンからのブーイングを浴びたが、全く影響を受けなかった。「あの負けで目が覚めた。ディフェンスからあれだけのエネルギーを出せれば、みんな自信を持ってリズムに乗れて、オフェンスも良い形で進められる」と言う。ブーイングについては明確には応えなかったが「素晴らしい舞台でプレーできたよ」と語った。
イタリア代表の指揮官、ジャンマルコ・ポッチェッコは、アメリカの強さに脱帽だった。「グループを1位で突破したのに決勝トーナメント初戦でアメリカと当たるとはね。グループリーグでは自分たちにできるすべてをやったが、ここから先に進むにはもっと力が必要だ」
アメリカ代表は準決勝に進出。次はドイツvsラトビアの勝者と対戦する。