藤本怜央が11大会連続の得点王、そして大会MVPに輝く。

『内閣総理大臣杯争奪 第44回日本車椅子バスケットボール選手権大会』は最終日を迎え、宮城MAXと千葉ホークスが対戦した決勝戦は73-44で宮城MAXが勝利し、前人未踏の8連覇を達成した。

40分間フル出場し、41得点を挙げた宮城MAXの藤本怜央は通算150点(5試合)とし、11大会連続の得点王に輝き、大会MVPを受賞した。

2分間、どちらもシュートが決まらず、静かな立ち上がりとなった決勝戦。その均衡を破ったのは、藤本の2連続バスケット・カウントだった。千葉ホークスの起点となる土子大輔を、宮城MAXは車椅子をガシガシとぶつけながらプレッシャーを掛け、徹底マーク。第2ピリオド開始早々、オフェンスファウルを取られた土子は3つ目のファウルを犯し、ベンチに下がった。

大黒柱を失った瞬間、千葉の得点が止まる。もう一人、千葉ホークスの得点源である植木隆人もファウルトラブルとなり、一時コートを去るはめに。宮城MAXはディフェンスで流れをつかみ、前半20分間で20得点を稼いだ藤本の活躍もあり、35-14と一気に差を開いた。

後半、ファウルトラブルのメンバーをコートに戻し、手駒を揃えた千葉ホークスは、土子を中心に本来の力を発揮する。千脇貢、山口健二、そして土子と高さある3人が攻守に渡って踏ん張り、追い上げを見せたが、「相手の高さに怯むのではなく、立ち向かって行く準備を朝のミーティングでしっかりできていた」と話す藤本が後半も得点を重ねていく。マークが寄ってくれば、しっかりパスを出し、チームプレーでリードを広げ、73-44と29点差を付けた宮城MAXが8大会連続8回目の日本一に輝いた。

大会MVPに輝いた藤本。パラリンピックでもエースとしての活躍が期待される。

今夏はパラリンピックが開催される。昨秋、アジア・オセアニア予選で切符を勝ち取った男子車椅子バスケットボール日本代表メンバーは、この大会の結果を踏まえて選考され、まだ12名は確定していない。試合後、パラリンピックへ向けて藤本はさらなるアピールをしていた。

「今年はパライヤー! 必ずメダルに食い込む戦いをして、皆さんに良い報告ができるようにしたいです。そのためにも、リオへ向けてもっともっとレベルを上げ、今大会で戦った仲間たちとも共有してチーム力も上げていきたい」

大会結果
優 勝:宮城MAX(8連覇)
準決勝:千葉ホークス
第3位:NO EXCUSE

MVP:藤本 怜央(宮城MAX)

ベスト5
原田 翔平(埼玉ライオンズ)
佐藤 聡(宮城MAX)
豊島 英(宮城MAX)
香西 宏昭(NO EXCUSE)
土子 大輔(千葉ホークス)