セルティックス

後半はホークスが追い上げる、トレイ・ヤング「絶対にあきらめない」

セルティックスvsホークスのファーストプレーは、ボールを運ぶトレイ・ヤングからデジャンテ・マレーへのパスをジェイレン・ブラウンが勢い良く飛び出して奪い、そのままゴール下まで押し込んでシュートを決めたものだった。慎重になりすぎたホークスに対し、攻守にアグレッシブなセルティックスという構図は、ティップオフの直後にもう描かれた。

マーカス・スマートからバックドアのパスが通ってブラウンのダンク、スマートの3ポイントシュートで49-27とリードを広げ、続くディフェンスでは相手に2度のオフェンスリバウンドを奪われながらもディフェンスを崩すことなく守り切り、オニエカ・オコング相手にリバウンドを取り切ったアル・ホーフォードは、オコングのファウルで試合が止まると、拳を握り締めて力強く胸を叩いた。第2クォーター残り6分半、普段は冷静沈着なベテランが感情をむき出しにし、TDガーデンが大歓声に包まれたこの瞬間に、もうセルティックスの勝利は決まったようなものだった。

前半を終えて74-44とセルティックスが大量リード。攻守ともに完璧な出来だったが、すべてはディフェンスから始まっていた。ヤングにもマレーにもチャンスを与えず、2人でフィールドゴール22本中成功7本、3ポイントシュートは8本打って成功わずか1本と抑え込んだ。前半、ホークスの3ポイントシュートは16本中ヤングが決めた1本しか成功していない。セルティックスの守備は相手にタフなシュートを強いるだけでなく、リバウンドを32-18と取りきり、トランジションに繋ぐところまで徹底していた。

それでも後半は38-55と失速。大量リードの気の緩みから攻守ともにエネルギー不足に陥り、受け身に回った。ホークスは大量ビハインドでもあきらめず、後半もシュートタッチは必ずしも良くはなかったが、ボールへの執着心を増してリバウンドを奪い、チーム全体の運動量が増したことで得点が動くようになった。

「前半と後半の違いはアグレッシブに戦えたかどうかだけ。あれだけ差を付けられて逆転できるとは正直思わなかったけど、それでも絶対にあきらめない、勢いを付けるんだ、という気持ちでプレーした。この気持ちは忘れちゃいけない」とトレイ・ヤングは試合後に語っている。

点差を詰められたとは言っても残り2分あまりで13点差までで、最終スコアは112-99。セルティックスの完勝だったことに変わりはない。試合後のセルティックスの面々には、これを歓迎する余裕さえあった。

スマートは「ここからの戦いではどんな失敗も許されない。自分たちの油断から相手にチャンスを与えて、ひどい目に遭うような試合はやっちゃいけない」と語ったが、指揮官ジョー・マズーラは「全く心配していない」と言う。「ホークスの実力を考えれば、後半の展開はある程度は予想できた。我々にとっては、実は良い経験だよ。『油断しちゃダメだ』と実際に感じて、そこから学ぶことはとても大事なんだ」