安藤周人

指揮官も称賛「デザイン通りのシュートを打って、勝利に貢献してくれました」

3月19日、アルバルク東京はサンロッカーズ渋谷との第2戦へ挑んだ。強みであるインサイド陣を中心に堅いディフェンスを見せると、安藤周人らシューター陣が要所で3ポイントシュートを沈めて67-54のロースコアゲームを制した。

第1戦は、第1クォーターに27点を奪われスタートダッシュに失敗したことで黒星となったが、A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチが「出だしのラインナップを変えたことで、ディフェンスが機能した」と振り返るように、今シーズン初先発となった岡本飛竜が相手ポイントカードのベンドラメ礼生を徹底マークする。相手のオフェンスの起点を抑え込んだことで、この日の第1クォーターは18-16とわずかだがリードして終える。

第2クォーターに入ると、岡本の好守から勢いに乗って内外問わず得点を量産。21-9とビッグクォーターを作り、その後は最後までリードを渡すことなく逃げ切った。ゲームハイの14得点を挙げた安藤は「昨日は出だしですべてが決まってしまいましたが、今日はチーム全員でエネルギーを出して一つひとつ相手のやりたいことを止めることができていたと思います」と、昨日からの修正力を語った。

また、第1戦ではチームとして27本中4本、安藤個人では7本中0本と3ポイントシュートの精度に苦しんだ。しかし、この日はピック&ロールを起点にパスが回ったことで安藤もオープンでシュートを打つことができ、8本中4本と高確率で長距離砲を連発した。この活躍にアドマイティスヘッドコーチも「非常に良い仕事をしてくれた」と称賛し、次のように続けた。「(安藤は)ペリメーター陣の中でも中心選手の一人です。昨日は確率に苦しみましたが、長いシーズンの中でアップダウンはあります。そういった時、調子が悪くても打ち続ける、しっかりと自分のシュートに自信を持って、踏ん切りの良いシュートを打ってほしいと話しています。デザイン通りのシュートを打って、勝利に貢献してくれました」

安藤はシュート精度が復調した要因を、次のように語った。「2月のバイウィーク前からちょっと確率が良くありませんでした。昨日、ビデオコーチにシュートが入った時と外れた時のフォームをまとめてもらい、確認することができました。やはり、疲れからかフォームが崩れていることを確認し、試合前に修正しました。今日は元通りのフォームで打てていたので、この確率で入ったのかなと思います」

安藤周人

度重なる中心選手の離脱で高まる責任感「自分がやるしかない」

現在のA東京は、B1のホーム連勝記録(タイ)となる17連勝を達成するなど、シーズンを通して安定感を見せている。しかし、年末にインジュアリーリストへ登録された田中大貴に続いて、先日、小酒部泰暉の負傷も発表されており、駒不足であることは否めない。その中で2人と同ポジションの安藤は、これまで以上の責任感を持っている。「今はオサ(小酒部)もいないですし、大貴さんもいないので回せる人がいません。なので、自分がやるしかないです。自分がしっかりチームを引っ張って、勝たせられたらなと思います」

そんな安藤は、ベンチメンバーの奮闘にも期待を寄せている。「オサがいないことで、ベンチメンバーの笹倉(怜寿)や岡本選手、吉井(裕鷹)が出てこないと、後半戦は勝てないです。ベンチから1人、2人出てこないとチームとしても強くなれないですし、レベルアップしないと対策もされてしまいます。抑えるところが限定されてしまうと、簡単に止められてしまうチームになるので。ここで一人ひとりがレベルアップすることが、大事なのかなと思います」

そして、自身の完成度についてこう話す。「1月が良すぎたので、あの時が100だとしたら今は半分ぐらいまで落ちてしまっていると思います。ですが、試合はどんどん続くので引きずっても意味がないですし、今日修正できたのは大事です。確率良く決めることができれば、自信を取り戻すことができます」

1月は第17節のレバンガ北海道戦で3ポイントシュートを9本成功させたように、シュートタッチが好調でBリーグの月間MVPにも選出される活躍を見せていた。2月からは、徐々にその確率を落とし、成功なしで終える試合もあった。だが、安藤が話すように、引きずることなく修正したことでチームを勝利へ導いた。「自分がシュートを決めれば勝てると思うし、自分がシュートを外せば昨日のように負けると思っています。まだまだ(シーズン)後半戦は続きますし、ここからが大事です。もっと確率を上げていきたいと思います」

この試合を機に、再びシューターとしてチームを連勝街道へ導くことができるか。今日、勝率9割を誇るホームで活躍する安藤の姿を楽しみにしたい。