[ウインターカップ・プレビュー]vol.24 福岡第一(福岡)蔡錦鈺&土居光「自分たちより多く練習したチームはない」

2016/12/24
プレーヤー
1933

文・写真=古後登志夫

福岡第一の『身体を張って、走り勝つ』スタイルを体現するのが、蔡錦鈺と土居光だ。200cmの蔡錦鈺は井手口孝監督が「身体を張ってくれて、献身的にピックに走る。そしてこんなにシュートがうまい子はいない」と絶賛する中国出身のセンター。一方の土居は日本で生まれ育ったエジプトとのハーフ。「走るバスケット」のスピード感にしっかりと合わせつつ、パワーと正確さを兼ね備えた万能型の選手だ。
インターハイとウインターカップの『2冠』を狙う福岡第一。チームを支える2人に大会に向けた意気込みを語ってもらった。

蔡錦鈺「1年生の時は全然でしたが今はうまくなりました」

──高校から日本でプレーしていますが、日本の印象、日本に来て苦労したことを教えてください。

日本の印象は「きれい」です。学校とか全部きれいだし、道にゴミも落ちていない。あとは空気もきれいです。大変だったのは日本語です。今もまだ上手ではないですが、最初は全然話せませんでした。先輩がずっと日本語を教えてくれました。バスケットボールの練習も大変です。中国では毎日2時間だけでしたが、日本に来たら4時間か5時間は練習です。最初は本当にキツかったです。

──では、日本に来て一番楽しかったことは?

今年のインターハイで優勝したことが一番うれしかったです。一番楽しかったのは、1年生の時の誕生日に、みんなが僕にプレゼントをくれたことです。

──中国にいる時に井手口監督からスカウトされたんですか?

はい。中学3年生の時に井手口先生が一度中国に来まして、僕が日本に来ることになりました。最初、1年生の時は全然うまくなかったのですが、先生からいろいろな技術を教わって、今はうまくなりました。

──ウインターカップに向けての準備は順調ですか?

今はずっとディフェンスの練習をしています。ウィンターカップに出るチームはみんな強いです。ディフェンスが一番大事なことなので、ディフェンスを頑張っています。

──大会後はどうする予定ですか?

今回の大会が終わったら中国に戻って、2カ月ぐらい中国のプロ選手と一緒に練習します。それでうまくなって、また日本に戻って大学で優勝したいです。日本経済大学に行くことが決まっていて、そこからプロ選手になりたいと思っています。

──ウインターカップでの目標を教えてください。また、ライバル校を一つ挙げるとしたらどこですか?

目標は優勝です。それが一番大事なことです。ライバルだと思うのは中部大学第一です。中国人選手がいるチームなので、そこには負けたくないです。

土居光「3年間で人間性もプレーも何もかも変わりました」

──様々なポジションと役割をこなせるのが土居選手の持ち味ですが、様々なポジションをやる上での苦労はありましたか?

中学校では一応センターでした。でも、リバウンドを取ったら自分で持って攻めて、ガードみたいな役割をすることもありました。高校3年間を見ると、4番ポジションなんですけど時々3番もやっています。もともとはセンターだったので、外の選手に付いてディフェンスをするのは厳しかったです。最初はできないことばかりでした。

──決して簡単じゃなかったと思いますが、どうやって乗り越えたのでしょう。

井手口先生のおかげですね。この3年間で、人間性もプレーも何もかも変わりました。人生が変わりましたね(笑)。

──それは具体的にはどういうことでしょうか。

バスケットは大好きだったんですけど、先生みたいな人からしたら中途半端にやっているダメ野郎だったんです。根性が全然なかったんですね。そこを叩き直されました。「そういうところからきっちりとした人間になれ」ということです。先生の言うことを全部聞いて頑張ってみたら、変わることができたんです。

──試合で辛い経験をしたことは?

去年のウインターカップ予選で(福岡大付属)大濠に負けた時ですかね。試合には出ていなかったんですけどメンバーで、同じチームとして辛いというか寂しいというか。

──大濠はやはりライバルとして意識していますか?

意識していますね。よく先生も言うんですけど、「自分たちが練習していない間に向こうは伸びる」という意識を持てと。あっちは常に精一杯やって、少しずつでも追い付かれる、あるいは離されるという焦りです。近くに大きなチームがいて良かったです。

──でも、大濠と福岡第一のライバル意識とは別に、選手同士は仲が良いと聞きました。

そうですね。同じポジションの青木亮くんだったり、兒玉修くんや西田優大くんとも仲が良いです。渡嘉敷直輝くん、鍵冨太雅くんもそうです。国体で一緒だったし、鍵冨くんとはスラムダンク奨学金の最終選考まで一緒に残れたので。

──大濠以外でライバルという意識を持っている選手はいますか?

同じハーフの選手がいたら「負けたくない」という対抗心が出ます。インターハイで対戦した中部第一(愛知県)のディクソン(ジュニア・タリキ)くんですね。仲は良いのですけど意識はします。しかも自分と違ってゴツいから、余計負けたくないです。

──プレーヤーとしての自分の強みはどこですか?

とりあえず走るチームなので、まず走ることです。スピードに乗ってついていく、その中でシュートをしっかり決めることを意識しています。

──ウィンターカップへの抱負を教えてください。

目標は日本一になることです。最後は強い気持ちでいくしかないですね。「自分たちより多く練習したチームはない」、そんなことをコートで考えながら、絶対1位になろうと思います。