ニコラ・ヨキッチ

第4クォーターに逆転「ディフェンスが一番の勝因」

現地2月23日にNBAのレギュラーシーズンが再開となった。西カンファレンスの首位を走るナゲッツは敵地でキャバリアーズと対戦。接戦ではあったがビハインドを背負う時間帯が長い中、第4クォーターの勝負どころで攻守が噛み合って逆転し、115-109で勝利した。

ニコラ・ヨキッチは24得点18リバウンド13アシストで、今シーズン22回目のトリプル・ダブルを記録。2シーズン連続MVPともなるとマークは激しく、対策も徹底される。キャブズのビッグマン、ジャレット・アレンとエバン・モーブリーは激しく当たってヨキッチの動きを封じ、ポストアップを試みればガードがヨキッチの懐に飛び込む苛烈なディフェンスをしてきた。ヨキッチはこれに苦しんで7ターンオーバーを喫している。普段なら汚れ仕事を引き受けてくれるアーロン・ゴードンの欠場もあり、激しい当たりに晒されたヨキッチはフラストレーションを抱えながらのプレーを強いられた。

さらにはトレードデッドラインのトレードで加わったレジー・ジャクソンがまだナゲッツのバスケを理解しておらず、ヨキッチを普通のセンターのように扱ってスクリーンを要求し、自分がハンドラーとしてチャンスを作ろうとして、欲しいタイミングでボールを受けられないヨキッチがリズムに乗れなかった面もある。

それでも第4クォーター残り6分半で相棒のジャマール・マレー、そしてマイケル・ポーターJr.と主力がコートに戻るとヨキッチ中心のバスケが復活し、3点ビハインドから6点リードへと試合をひっくり返した。マレーは16得点9アシスト、ポーターJr.はチーム最多の25得点と結果を残している。

勝負どころの時間帯で一気に流れを引き寄せた試合運びについてヨキッチは「あれが僕らの勝利の時間帯なんだ」と言う。「KCP(ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ)が特にそうだけど、ディフェンスを頑張って相手に快適なプレーを許さなかった。ディフェンスが一番の勝因だと思う」

キャブズでは若いモーブリーが31得点を挙げたが、第4クォーターに限れば10分半のプレーで無得点と完璧に抑え込んだ。「インサイドを固めて彼を孤立させた。彼は本当に才能のある選手で、素早くシュートを打てるしタッチも良い。彼を止めるのは難しいけど、僕らはその方法を見つけた」とヨキッチは言う。

オフェンス面ではポーターJr.の活躍が目立った。3ポイントシュート6本成功を含む25得点。腰のケガに長らく苦しんだが、シュートチェックが迫っていても迷いなくクイックリリースで打ち切る強気な姿勢を取り戻した。司令塔のマレーは「オフェンス面でのMVPはMPJ(ポーターJr.)だね。僕らが彼に求めることすべてをやってくれた」と称賛する。

ヨキッチはNBAオールスターに参加して休養が取れていないが、問題はないかとの質問に「何日も試合感覚が空くから、みんな精神的な準備は大変だと思う。僕はオールスターに出たから関係ないけどね」とジョークを飛ばしており、まだまだ元気そうだ。マレーとポーターJr.はケガの影響からほぼ脱している。ジャクソンを始めとした新戦力は新しいバスケに順応する必要があるが、それは時間が解決する部分が大きい。シーズン後半とプレーオフに向けてナゲッツはさらに勢いを増しそうだ。

指揮官のマイケル・マローンはNBAオールスター期間中にこうコメントしている。「今の我々は以前とは違う目で見られている。過去5シーズン、西地区で我々より多く勝ったチームはなく、残り23試合で5ゲーム差で首位にいる。2度のMVPを勝ち取り、今は3年連続のMVPになろうとしている選手もいる。これが尊敬に値しないのであれば、尊敬されるチームなどあり得ない。だが、我々の誰一人としてそんなことは気にしていない。デンバーに優勝をもたらす。ただそれだけに集中しているんだ」