スクランブル起用のスモールラインナップが決め手に
バスケットボール日本代表は今日、富山市総合体育館にカザフスタンを迎え、ワールドカップアジア予選の10試合目を戦った。
第1クォーターは日本の敷くゾーンディフェンスの外からカザフスタンが思い切り良く放つ3ポイントシュートが8本中5本と高確率で決まりビハインドを背負うも、日本はガード陣がボールを動かし、積極的なドライブからニック・ファジーカスへと集めて粘りを見せる。19-25で始まった第2クォーター、ファジーカスがベンチに下がっている間に強度の高いマンツーマンディフェンスで相手の勢いをシャットアウト。高さと強さはあるがスキルは決して高くないカザフスタンは、勢いを止めれば前半16ターンオーバーと粗が出た。
開始3分半を無失点に抑える間に追い上げ、比江島慎のバスケット・カウントで25-25と追い付く。その後は一進一退の攻防となるも、カザフスタンの3ポイントシュートを許さず、ファジーカスがシュートレンジの広さを生かして『ペイントエリアの遠目』からのシュートを高確率で沈めていく。前半終了のブザーとともに決まったかと思われた富樫勇樹の高速アタックからのフローターはビデオ判定の末に取り消されたが、34-33と逆転して試合を折り返した。
ただ後半は強度の高いディフェンスでファウルが先行し、竹内譲次がファウルトラブルでベンチに下がり、6分を残してチームファウルが4つに達する苦しい展開に。それでも撃ち合いの展開で一歩も引かず、追い付かれたところで馬場雄大のダンクが飛び出し、張本天傑がチーム最初の3ポイントシュートを沈めて、苦しい10分間を62-58とリードして乗り切る。
最終クォーターもディフェンスの強度を落とさずにカザフスタンに自由を与えず。70-62で迎えた残り7分、相手のドライブに反応して日本が激しく囲い込むディフェンスでボールを奪うと、カザフスタンのヘッドコーチが判定に不満を言ったことでベンチテクニカルを取られる。これで得たフリースローをファジーカスが決め、さらにポストプレーからの1on1も制して突き放した。
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ここでファウルトラブルでベンチに下がっていた竹内譲次をコートに戻して試合を決めに行ったのだが、ここで思わぬアクシデントが起きる。竹内が戻って早々に個人4つ目のファウルを犯し、さらにテクニカルファウルもコールされてそのまま退場に。さらに直後のプレーで、後を支えるべき張本も5つ目のファウルで退場となってしまった。
残り約5分、ディフェンスとリバウンドのカギとなる4番ポジションの選手が不在となるピンチに、指揮官フリオ・ラマスは馬場を4番に据え、富樫、比江島、田中と併用するスモールラインナップを採用。追い上げなければならないカザフスタンの強引な攻めをきっちりと止め、スピードを生かして逆襲する。残り3分、馬場のミドルジャンパーが決まり79-68と再びリードを2桁に乗せると、馬場のスティールから比江島がタフな3ポイントシュートを決めて82-68と突き放す。さらには比江島とのピック&ロールからファジーカスが41得点目となるジャンプシュートを決めて勝利を決定付けた。
最終スコア86-70。ファジーカスが41得点15リバウンドとまさに大黒柱の働きを見せた他、比江島、田中、馬場という日本が誇るタレントが存在感を発揮。このところインサイドで不可欠な存在となっていた竹内譲次がファウルトラブルで苦しんだが、太田敦也と張本が繋ぎ、最後はスモールラインナップのスクランブル起用が見事に当たった。
これで日本は6連勝。序盤はカザフスタンの3ポイントシュートが当たりビハインドを背負い、中盤以降はファウルトラブルに苦しんだが、個々のタレントが持ち味を発揮する完勝となった。
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— Basketball World Cup (@FIBAWC) 2018年12月3日