勝負を分けた第4クォーターに指揮官も絶賛「ベストなチームバスケができていた」

1月11日、秋田ノーザンハピネッツと千葉ジェッツが対戦した。序盤は、インサイドを強みとした千葉Jに対し、3ポイントシュートやルーズボールへの激しさで戦った秋田だったが、同点で迎えた第4クォーターの残り5分から3ポイントシュート2本を含む8得点を挙げたクリストファー・スミスを筆頭に連続得点で上回った千葉Jが63-74で勝利し、今シーズンの連勝を11に伸ばした。

第1クォーターは、指揮官のジョン・パトリックが「この体育館は他のところと全く感覚が違いました。リングがすごく遠く見えていて、独特な雰囲気のコートでした」と話すように、千葉JはCNAアリーナ☆あきたの雰囲気に飲まれてしまい3ポイントシュートが6本中1本成功とシュートタッチに苦しんだ。それでも秋田のトランジションスリーに対してしっかりとシュートチェックを行うことでシュートを落とさせてリバウンドを確保すると、ジョン・ムーニーやギャビン・エドワーズらインサイド陣の得点や強みとする堅守速攻を見せて残り3分に11-3のランを成功させる。クォーター終盤に秋田のケレム・カンターやスタントン・キッドにミスマッチを生かした打点の高いシュートで失点を許すも、千葉Jが1ポゼッションのリードで最初の10分を終える。第2クォーターに入ると、秋田の速い戻りによってトランジションを封じられてしまったが、富樫勇樹とムーニーを起点としたピック&ロールからの連続得点で、リードを7点に広げて試合を折り返した。

第3クォーターが始まると、秋田はスティーブ・ザックが原修太とのミスマッチからフリースローを獲得してビハインドを縮める。また、オフェンスリバウンドやルーズボールなど球際の強さを発揮して攻撃機会を増やすと、開始3分弱にセカンドチャンスから古川孝敏の3ポイントシュートやザックのバスケット・カウントが飛び出し、7-0のランでリードを奪った。

リバウンドを取り切れず逆転を許した千葉Jだったが、残り3分40秒にコートに立った西村文男がスティールからトランジションオフェンスを演出すると、続けて原がアウトサイドシュートを決めて同点に。その後は秋田の3ポイントシュートに対して千葉Jが速攻で対抗し、50-50で最終クォーターへ突入した。

第4クォーター、千葉Jはクォーター序盤こそアウトサイドシュートに苦しむも、富樫のドライブからのレイアップで波に乗ると、佐藤卓磨の3ポイントシュートも飛び出す。2点リードで迎えたオフィシャルタイム明けには、秋田のケビン・ブラスウェルアシスタントコーチと古川が「35分までは良かったけど、最後の最後にやられてしまった」と揃って悔やむように、千葉Jは追いかける秋田のアウトサイドシュートを11本中1本成功に抑え込む堅守を見せる。さらに第4クォーターに4アシストを記録した富樫のボールコントロールから、第3クォーターまでフィールドゴール1本成功と苦しんでいたスミスと第3クォーターまで11得点と好調を続けていた原がオープンの3ポイントシュートを決めてリードを拡大。また、このシュートで調子を取り戻したスミスが1on1からのレイアップと3ポイントシュートを連続で決めるなど、このクォーターはフィールドゴール成功率47.6%(第1~3クォーター成功率36.0%)とシュートタッチを取り戻し、点差を2桁に乗せて勝利した。

シュート精度に苦しみながらもアウェーで勝利をつかんだ千葉Jのパトリックヘッドコーチはこのように試合を振り返った。「秋田というアグレッシブなチームと試合をした中で、ディフェンスは良いところがありました。第4クォーターにシュートが当たっていなかったスミスが大事なところで3ポイントシュートを決めてくれてベストなチームバスケットができていました。大切な勝利となったと思います」

また、敗れた秋田の古川は昨シーズンからの成長を感じつつも、現在の課題について次のように話した。「昨シーズンまで大敗するような試合がありましたが、(強豪を相手に)ここまで戦えていることについてはポジティブに捉えられます。ですが、最後の最後にオフェンスがバタバタしてもったいないシーンがあったので、チームとして最後にどうやって試合をコントロールしていくのかを同じ認識を持つことが大事です。こういった試合から学んでしっかりとしたイメージを持っていきたいと思います」