横浜BCvs琉球はリバウンドが要注目ポイントに
横浜ビー・コルセアーズ(15勝11敗/中2位)vs琉球ゴールデンキングス(20勝6敗/西3位)
今シーズン初の顔合わせとなった本カード。横浜BCは4日に天皇杯セミファイナルを逆転勝利しており、この勢いのまま連勝を伸ばしたいところ。河村勇輝の平均17.2得点、9.4アシストが躍進の原動力となっていることは言わずもがなだが、リーグ2位の平均39.9リバウンドを獲得できていることも大きい。チームトップの10.0リバウンドのチャールズ・ジャクソンを中心に機動力の高いビックマンが揃っているため、トランジションバスケを仕掛けていくと試合を優位に進められるだろう。中地区首位の川崎ブレイブサンダースとは1ゲーム差のため、必勝態勢で臨むはずだ。対する琉球は、横浜BCを上回る平均41.5リバウンドを記録し、ハーフコートバスケで試合を支配している。特にオフェンスリバウンドは平均13.9本でリーグトップと、セカンドチャンスポイントからの得点やフリースロー試投数も多く、インサイドから流れを引き寄せている。横浜BCの3ポイントシュート成功率31.0%はリーグ最下位となっているため、守りどころをを見極めることができれば勝利は近い。
島根スサノオマジック(20勝6敗/西2位)vs茨城ロボッツ(9勝17敗/東6位)
昨シーズンは1勝1敗で星を分けた同カード。年明け以降も1位から4位まで2ゲーム差と熾烈な西地区上位争いの渦中にいる島根は、シーズン平均トリプル・ダブルが近いペリン・ビュフォードを筆頭に内外で得点が取れている。リーグ2位の平均10.4本を決める3ポイントシュートは、平均15.6得点の安藤誓哉がリーグトップの平均3.1本、次いで平均9.4得点の津山尚大が平均2.1本とバックコート陣が安定したアテンプト数と成功数を記録しているが、少ない成功数でもニック・ケイやビュフォードら外国籍選手が決めていることも大きい。茨城もアウトサイドシュートに長けたビッグマンがいるため、個人技で差をつけていきたい。対する茨城は、2桁得点が続く山口颯斗を筆頭に日本人選手の得点力が伸び始め、先行逃げ切りスタイルで3連勝中。出場する選手が安定して得点できており、東地区5位の宇都宮ブレックスの背中も見え始めている。また、アシスト力に定評のあるキャメロン・クラットウィグがオフェンスのバリエーションを増やしていけるかにも注目したい。高い能力を持つ島根に対して、チームディフェンスで守り勝ちたいところ。
広島ドラゴンフライズ(21勝5敗/西1位)vs三遠ネオフェニックス(12勝14敗/中4位)
年始の連戦を勝利し、西地区の単独首位に立った広島は三遠と今シーズン初対戦。ホームでの戦績は開幕戦から10勝1敗と広島ブースターの応援を受けながら好調を維持している。平均失点は77.1得点と他の上位チームと比較するとやや多いが、それを上回る得点力で勝率を8割まで戻している。また、フリースロー成功率は77.4%でリーグトップなため、三遠のアウトサイドシュートを警戒しつつインサイドアタックを続けて主導権を握りたい。対する三遠は中地区首位から一歩ずつ後退して現在は4位に。しかし、首位の川崎まで4ゲーム差と今月中に浮上できる可能性もあるため、一つひとつ大切に勝ち星を積み重ねていきたい。前節の千葉ジェッツ戦では、30点差で大敗した第1戦から第2戦は第4クォーターまで勝負がわからない展開に持ち込むなど、修正力が光った。途中加入の外国籍選手たちもチームオフェンスの一翼を担う重要な役割をこなしており、さらに完成度を高めることができれば中地区首位への返り咲きも見込めるだろう。
宇都宮ブレックス(11勝15敗/東5位)vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(19勝7敗/西4位)
現在3連敗中と苦しむ宇都宮は2018-19シーズン以降負けなしの名古屋Dと対戦する。黒星先行の理由はシュート成功率(41.4%、リーグ23位)の悪さにある。現在リーグワーストの平均71.2得点を引き上げるためにもオープンで打てるチャンスを増やすとともに、素早いトランジションからイージーレイアップを作り出す堅守速攻も披露していきたい。コンディション不良等で選手が揃わない試合も多いが、限られた選手の中でも接戦に持ち込めているため、オフェンシブな名古屋Dの展開を阻止するためにもチームディフェンスを徹底したい。名古屋Dは西地区首位戦線に踏みとどまるためにも1勝も落とせない状況に。シーズン序盤から見せていた高火力のオフェンスは衰えることなく中盤戦でもその力を発揮するだろう。26試合中7試合で100点ゲームとなっており、切り替えの早いトランジションバスケをチーム全員が徹底できている。敗れた試合を見ると、平均7.6点差と接戦のゲームを落とすことが多いため、主力選手のプレータイムも考慮しつつ相手を突き放せる展開へ持ち込みたい。
シーホース三河(10勝16敗/中6位)vs千葉ジェッツ(22勝4敗/東1位)
昨シーズンは対戦がなかった本カード。ホームの三河は現在4連敗中で勝率も4割を切っている。リーグ4位の平均20.2得点を記録しているダバンテ・ガードナーや日本代表の西田優大などタレントは揃っているが、オフェンスリバウンドが取れていない(平均9.7本、リーグ最下位)チームのため、シュート成功率が勝敗に大きく影響する。上に出したスコアラータイプの選手以外にも、ウイングの角野亮伍やスピードのあるドライブが持ち味の長野誠史らバックコート陣を中心にオフェンスから流れを引き寄せられると勝利は近い。一方の千葉Jは8連勝中と絶好調。富樫勇樹の勝負強さはもちろん、3ポイントシュート成功率48.1%でリーグトップのクリストファー・スミスの存在も大きく、各クォーターのラストオフェンスで3ポイントシュートを決め切るプレーが得点以上に相手へ与えるダメージは大きい。コンディション不良等でなかなか選手が揃って戦うことができていないが、今シーズン強化しているディフェンスからのトランジションはリーグ屈指の破壊力を持っているため、どの選手も徹底できるようになると東地区首位は堅い。
京都ハンナリーズ(10勝16敗/西7位)vsサンロッカーズ渋谷(11勝13敗/中5位)
直近の5試合で3勝2敗と徐々に勝率が戻り始めた京都はホームでSR渋谷と対戦。平均19.3得点をマークしているジェロード・ユトフはフィールドゴール成功率46.4%と高く、内外問わず得点を量産できるのが京都の強みとなっている。また、久保田義章は平均11.0得点、6.8アシストとポイントガードとして申し分ない活躍を見せており、特に3ポイントシュートは昨シーズンの26本成功をシーズン半ばにして突破(現在32本)。久保田がオフェンスを組み立てながらも隙を見て自分で攻め込む緩急をつけられると京都のペースになる。対するSR渋谷は3連敗で勝率も5割を切った。ヘッドコーチの退任など落ち着かない年末となったが、選手たちや残ったスタッフたちは前を向くしかない。12月上旬ごろに落ち込んでいた3ポイントシュート成功率は少しずつ復調し始めており、前節の名古屋Dとの第1戦では26本中11本と高確率で沈めて接戦へ持ち込んだ。相手のペースに合わせることなく持ち味であるトランジションを連発させて一気に流れを持ち込むことがSR渋谷の勝ちパターン。攻守の切り替えを意識しつつ、シューターの石井講祐や得点を荒稼ぎしてくれる強力な外国籍選手を中心としたオフェンスができると得点効率がさらに上がりそうだ。