第1クォーター終盤の爆発力
西カンファレンスの強豪、ウォリアーズとクリッパーズの対戦。ウォリアーズはリーグ全体でダントツの平均120.2得点、クリッパーズは4位の平均108.7得点と、高い攻撃力を持つ両チームだけに、ハイレベルな打ち合いが予想されたが、ウォリアーズが第1クォーターから圧倒した。
立ち上がりから両チームともシュート精度が上がらず、第1クォーターの半分を過ぎて11-10とウォリアーズがわずかにリード。それでも、ディフェンスに定評のあるアンドレ・イグダーラの投入を機に、ウォリアーズが速攻を何本も繰り出し一気に走る。
オフェンスではスクリーンのかかりが甘かった部分を修正し、ザザ・パチューリアのスクリーンピックからオフェンス優位の状況を作り出してリードを広げていく。
さらにはアグレッシブなディフェンスで、強引なタフショットを打たせ、ターンオーバーを誘発させる。そしてスモールラインナップの特性を生かし、素早いトランジションから速攻を次々と決め、第1クォーター終了時点で37-19と大量リードを奪った。
第2クォーターに入ると、クリッパーズが意地を見せる。ジャマール・クロフォードの個人技で反撃の狼煙を上げると、デアンドレ・ジョーダンとブレイク・グリフィンが高さのアドバンテージを生かしペイントエリアで加点する。クリス・ポールがスクリーンからノーマークを作ってジャンプショットを決めて7点差まで詰め寄る。
それでもウォリアーズは連動したボールムーブでクリッパーズのディフェンスを崩し、ドレイモンド・グリーンが3ポイントシュートと豪快なダンクを決めて62-49と2桁のリードで前半を折り返した。
序盤の貯金を守りきったウォリアーズ
後半に入ると、ウォリアーズのディフェンスがさらに集中力を増す。まずスイッチを多用し「ズレ」を作らせない。「ズレ」が生じミスマッチが生まれた場合は個人の判断でダブルチームに行き、攻めるように守る。空いたスペースもすぐに埋めてノーマークを作らせない。そこから速攻やアーリーオフェンスを易々と決め、ウォリアーズにとって理想的な展開を作り出した。
最大27点差をつけたウォリアーズは主力を休ませながらも試合をきっちりとコントロール。この展開にイライラの溜まったクリッパーズはヘッドコーチのドック・リバースとグリフィンがテクニカルファウルをコールされる。残り4分を切ったところでクリッパーズはスターターを下げて白旗を上げた。
ウォリアーズは「スーパーカルテット」の4人で81得点を稼ぎ、的を絞らせないオフェンスを展開した。
敗れたクリッパーズはクロフォードがチームハイの21得点を記録。1試合平均14.9得点のシャープシューター、JJ・レディックがウォリアーズディフェンスの前に2得点と沈黙した。
クリッパーズの15アシストに対し、ウォリアーズの32アシストという数字がパスの周り具合、オフェンスの質を物語っている。また、1試合平均のチームアシスト数記録は、1984年シーズンにレイカーズが記録した31.4であり、現在ウォリアーズは32.0で上回る。勝敗はもちろん、ウォリアーズのアシスト数にも今後注目だ。