カーメロ・アンソニー

写真=Getty Images

得点源として機能していない現状をどう打開するか

今シーズンからキャリア初のベンチ起用を受け入れたカーメロ・アンソニーが、早くも岐路を迎えている。

11月10日のスパーズ戦を欠場したカーメロが、ロケッツとチーム内での役割、そして今シーズン残り試合をチームとどう歩んでいくかについて話し合っていると『ESPN』が報じた。

スパーズ戦の欠場理由は体調不良と発表されているが、カーメロは試合前日の練習メニューをすべてこなしたとのこと。これが事実なら、事態は深刻かもしれない。

今オフにサンダーからホークスにトレードされたカーメロは、バイアウトを経てロケッツと契約。当初からセカンドユニットでの起用が濃厚と見られていたが、昨シーズンの守備の要だったトレバー・アリーザとルーク・バー・ア・ムーテが退団した穴は大きく、ディフェンダーとして評価が高くないカーメロに代役は務まらない、という意見が大多数を占めた。

スコアラーとして全盛期にあった頃は、ディフェンスの難は得点力でカバーできた。しかし、34歳になってかつてのような爆発的な動きができず、今シーズン10試合(先発2試合)に出場し、平均13.4得点、フィールドゴール成功率40.5%、3ポイントシュート成功率32.8%というスタッツを記録。贔屓目に見ても、ベンチからの得点源として機能しているとは言えない。

チームの成績も4勝7敗と振るわない。まだシーズン序盤ではあるが、競争力の高い西カンファレンスでは気付けばプレーオフ進出も危うくなってしまう。

テコ入れをするにしても、カーメロを先発に昇格させるとは考えにくい。そうなれば、話し合いの内容はセカンドユニット内での序列と推測できる。カーメロはここまでセカンドユニットでは最長の平均29.4分のプレータイムを与えられているが、これを減らすことを視野に入れた話し合いだったのではないだろうか。

現段階ではトレード、または退団という選択肢はないかもしれないが、パフォーマンス内容が改善されず、万が一にもチームの指示に従えないのであれば、ロケッツも決断を迫られる。昨シーズンにサンダーに加入した時点で、ベンチスタートを受け入れるかと質問されたカーメロは「俺が?」と一笑に付した。だが、もう笑ってはいられない。

このまま存在感が薄くなりフェードアウトしていくか、もう一度カーメロの時代を呼び戻すか。すべてはカーメロ自身のパフォーマンスにかかっている。