八村塁

写真=Getty Images

八村塁を筆頭に、アメリカで切磋琢磨する若き日本人

日本の大学リーグはクライマックスを迎え、日本一を決めるインカレに備え始めている。海の向こうアメリカでは、NBA以上に盛り上がるカレッジバスケシーズンがいよいよ日本時間の明日に開幕する。

昨シーズンの活躍が認められ、バスケの本場でもその期待値がグングン高まっているのが、ゴンザガ大学3年の八村塁だ。『ブルーリボン・カレッジバスケットボール・イヤーブック』のオールアメリカンチームに選ばれ、今シーズンはその表紙を飾っている。先日行われたセントラル・ワシントン大学とのプレシーズンゲームでは立ち上がりから連続得点を挙げてチームを引っ張り、108-69で快勝。八村はトップとなる23点を挙げた。

エースとして臨む今シーズン、全米チャンピオンへ導く日本人選手への注目度は天井知らず。アーリーエントリーを行使すれば、NBAでドラフトされるのは確実視されている。どれほど高い順位で名前を呼ばれるのかなど話題に事欠かない八村だが、ラストシーズンになるかもしれないゴンザガ大学での飛躍を見守りたい。

八村とともに、昨年のU19ワールドカップで世界10位になったチームメートのシェーファー・アヴィ幸樹は名門・ジョージア工科大学で2年目、榎本新作(アイザイア・マーフィー)はピマ・コミュニティカレッジからディビジョン2のイースタン・ニューメキシコ大学へ編入した。スラムダンク奨学生の鍵冨太雅はセント・トーマス・モアプレップスクールからボウディン大学(ディビジョン3)に入学し、それぞれ新たなシーズンを迎える。

バスケを始めて4年目のシェーファーは、今シーズンも32番のユニフォームをしっかりと勝ち取っている。プレシーズンゲームとなったフロリダ工科大学戦は5分間出場し、5本のリバウンドを取り、彼らしい働きを見せた。

ノースカロライナ大学ウィルミントン校のテーブス海は、楽しみなルーキーである。京北高校や今夏の日本代表でも活躍し、何よりも富士通レッドウェーブの指揮官、BTテーブスの長男ということでその名を知る方も多いことだろう。今シーズンよりディビジョン1の舞台に立つ。プレシーズンゲーム2試合目には先発で起用され、9アシストを記録。すでにチームにフィットしている188cmの日本人ポイントガードの成長が楽しみである。

日本代表候補の207cm、渡辺飛勇(ヒュー・ホグランド)も今シーズンはロスター入りを果たし、2年目のポートランド大学でデビューを目指す。ディビジョン2だが、サウザン・ニューハンプシャー大学で3年目の角野亮伍はどこまでその存在感を示すことができるか、勝負の年となる。

大きな選手ばかりではない。170cmながら、ディビジョン1でプレーする機会を勝ち獲ったジョージア・サウザン大学の弓波英人も、日本人の希望としてその活躍に期待したい。女子ではロバート・モリス大学2年の池松ほのかが活躍中だ。昨シーズンは31試合すべてで先発出場し、平均8.9点を挙げ、ノース・イースト・カンファレンスのオールルーキーチームに選ばれた。

あくまで筆者が知る限り、調べられた限りの選手を紹介しただけである。まだまだ彼の地で頑張っている日本のパスポートを持つ選手はいるはずだ。また、大学以外でも海を渡った選手たちがいる。渡邊雄太や角野、鍵冨が学んだセント・トーマス・モアには、小林良とホール百音アレックスがスラムダンク奨学生として入学。さらに、今年一気にその名を轟かせた田中力がIMGアカデミーで実力を試す。

試合によってはライブ動画配信やラジオ中継などがあり、日本から彼らの活躍を見聞きすることだってできる。

紹介した選手たちのNCAA開幕戦スケジュール

11月7日(水)
9:00 ロバート・モリス大学(池松ほのか)vs ヤングスタウン州立大学
9:00 ジョージア・サウザン大学(弓波英人)vs カーバー大学
9:30 ノースカロライナ大学ウィルミントン校(テーブス海)vs キャンプベル大学
10:00 ポートランド大学(渡辺飛勇)vs マルトノマ大学
11:00 ゴンザガ大学(八村塁)vs アイダホ州立大学
11月10日(土)
4:30 イースタン・ニューメキシコ大学(榎本新作)vs フォート・ルイス大学
9:30 ジョージア工科大学(シェーファー アヴィ幸樹)vs ラマー大学
11月11日(日)
6:00 サウザン・ニューハンプシャー大学(角野亮伍)vs ニューヨーク工科大学
11月17日(土)
9:00 ボウディン大学(鍵冨太雅)vs アルバータス・マグナス大学