千葉ジェッツ

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

19-0のランで主導権を奪取

千葉ジェッツがレバンガ北海道をホームの船橋アリーナに迎えた水曜ナイトゲーム。千葉が目指す激しいディフェンスからのトランジションオフェンスが炸裂し、110-78と今シーズン初の100点ゲームで勝利した。

千葉は小野龍猛が出場せず、富樫勇樹、西村文男、石井講祐のスモールラインナップが先発を務めた。小野は以前から右手首にテーピングを巻いて出場し、痛みがあると漏らしていたが、指揮官の大野篤史は「痛みがあるので、メンバーを変更した」という言葉に留めた。

序盤はマーク・トラソリーニの3ポイントシュート、富樫のフローターでそれぞれ得点し、開始2分で9-9と打ち合いの様相を呈した。それでもバックコート陣が確実にボールを供給し、マイケル・パーカーの13得点を筆頭に、早くも先発全員が得点した千葉が32-24と先行した。

第2クォーターに入ると、ディフェンスの強度を一段上げた千葉の猛攻が始まる。ボールマンへのタイトなディフェンスでボール回しを停滞させ、ショットクロックわずかになったところでタフショットを誘発させる。そのディフェンスリバウンドから次々と走り、アウトナンバーからの3ポイントシュートやレイアップを沈めていった。

千葉は開始から5分間北海道を無失点に抑え、その間に19点を積み上げた。この時間帯を牽引したのが藤永佳昭とアキ・チェンバースのディフェンスだった。高さとフィジカルを兼備したアキは上へのパスを通さず、ボールを手に当てマイボールにし、速攻を繰り出す起点となった。また藤永は相手に執拗にプレッシャーをかけ続け、相手のムービングスクリーンを誘うなどディフェンスの意識を背中で示し続けた。

北海道はデイビッド・ドブラスのポストプレーや桜井良太の3ポイントシュートなどで悪い流れを断ち切ろうとするが、劣勢を覆すまでには至らなかった。

千葉ジェッツ

脅威の34アシストを記録し完勝

59-38と大量リードして後半を迎えた千葉だったが、ドブラスの3点プレーとなるバスケット・カウントや桜井の3ポイントシュートなどで、開始3分で14点差に詰め寄られる。それでも微妙な判定ながら、トラソリーニのシュートチェックがノーファウルとなり、石井が3ポイントシュートを沈めると流れは再び千葉に傾いた。

第4クォーター残り8分、ここまでチームハイの17得点を挙げていた桜井がファウルアウトとなり万事休す。その後も攻撃の手を休めない千葉はすべてのクォーターで上回り、今シーズン初となる100点ゲームで勝利した。

千葉はディフェンスが機能し、ターンオーバーは7-15と2倍以上の差がつき、ターンオーバーから18点を記録。また34アシストという数字も驚異的で、いかにオフェンスの遂行度が高かったかを象徴している。

敗れた北海道のジョゼ・ネトコーチは「千葉のオフェンスは素晴らしく、確率の高い数字を残した。その要因の一つとして、自分たちのディフェンスが良くなかったというのも影響している」と完敗を認めた。

北海道はマンツーマンやゾーンディフェンス、マッチアップゾーンなど、多様なディフェンスを用いたが、千葉の勢いを止めるには至らなかった。「いろいろなディフェンスを試し、様々な守り方をしたが、遂行度が良くなかった。遂行度が良くないために戦術を変えたが、根本の解決にはならなかった」

千葉はこれで連勝を6に伸ばし、栃木ブレックスとアルバルク東京の背中をピッタリとマーク。だがトレイ・ジョーンズが左肩関節脱臼の診断を受け、大宮宏正が急性腰痛でベンチ入りせず、小野も欠場となったことで選手のコンディションが危惧される。それでも今日の試合ではしっかりタイムシェアできたことも、次戦へつながる価値ある1勝となったことだろう。

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