宇都宮ブレックス

すべてのクォーターを20点未満に抑える堅守

富山グラウジーズvs宇都宮ブレックスの第2戦は、第1戦と同様に持ち前のディフェンス力を発揮し、富山のゾーンディフェンスを攻略した宇都宮が89-63で勝利した。

序盤こそ拮抗した展開となったが、19-17と宇都宮がリードした第2クォーターに試合が大きく動く。宇都宮は富山のゾーンディフェンスに徐々に慣れていき、ボールをよく回してディフェンスを動かし、ゾーンの穴であるコーナースリーを沈めていく。また、外への警戒が強まった際にはジョシュ・スコットがペイントエリアで確実にスコアしたことで、富山は止めどころを見失った。

序盤はリングへのカッティングから失点を許す場面も多かった宇都宮だが、そこを修正し、タフショットを打たせ続けて、このクォーターの失点を13に抑えた。鵤誠司が2本連続、そして荒谷裕秀も1本の3ポイントシュートを沈め、8点をリードしてオフィシャルタイムアウトを迎え、その後も内外バランスの良いオフェンスを展開した宇都宮が27-13のビッグクォーターを作った。

後半に入っても宇都宮のペースが続く。ディフェンスのインテンシティを高め、ボールの受け手に対してはディナイで守ることで、簡単にオフェンスをエントリーさせない。その結果、富山のボールラインは上がり、パスを受けるだけで一苦労となりショットクロックが進んだ状況でのセットを強いられた。また、近くにパスを通せないため、遠くにパスを送ろうとした際には鵤のスティールを受け、ワンマン速攻を食らうなど悪循環に陥った。

後半開始3分、鵤のスティールから比江島慎の速攻が決まり、点差を20の大台に乗せた。その後、宇都直輝に連続でミドルシュートを許す場面もあり、大きく突き放すことはできなかったが、このクォーターも21-17で上回った。その後、田臥勇太の速攻が決まりリードを30に乗せるなど、終始試合を支配した宇都宮が完勝を収めた。

すべてのクォーターを20点未満に抑える堅守を披露しつつ、危なげない試合運びを見せ、安齋竜三ヘッドコーチはこのように試合を振り返った。「ゲームの出だしからディフェンスでしっかり入れた部分のほうが多かったと思います。オフェンスで停滞した部分もありましたが、ディフェンスからオフェンスと行けて、3ポイントシュートをしっかり決め切って、点差を離すことができました」