デマー・デローザン

写真=Getty Images

「これまでの成長はコーチ・ケーシーのおかげ」

10月5日、AT&Tセンターでピストンズ対スパーズのプレシーズンゲームが行なわれた前夜、ドウェイン・ケーシーとデマー・デローザンが久々の再会を果たした。

2人は昨シーズンまで、ラプターズのヘッドコーチとエースという関係性だったが、ケーシーは解任されてピストンズの指揮官に就任し、デローザンはカワイ・レナードと交換の電撃トレードでスパーズに移籍した。デローザンと夕食をともにしたケーシーによれば、デローザンは、フィアンセと、2人の子供を連れて現れ、昔話に花を咲かせたという。ケーシーは、スパーズ戦前に「支払いの時になると、彼は明細に手を伸ばさなくなるんだ」と冗談でメディアを笑わせたが、トレードの経緯を踏まえ、教え子が新天地で上手くやれていることに安堵し、こう続けた。

「彼は快適にやれている。チームメートにも恵まれ、新しいチームを気に入っている。周りがスパーズを過小評価している点も、彼にとっては好都合らしい。私はスパーズの力を軽視していない一人だ。彼らは西カンファレンスでも強豪チームの一つ。デマーは新たな環境に順応きている。たしかに、今もトロントに関しては思うところもあるだろう。しかし、新しい環境で、非常に上手くやれている」

ケーシーは、デローザンが3年目のシーズンから指導し、オールスターに成長するまでの過程を間近で見てきた。「彼を誇りに思う。線の細い、コンプトン出身の若者だった彼が、今のように大きく成長した。これこそ、指導者冥利に尽きること」とコメント。また、グレッグ・ポポビッチという名将の下でプレーする環境が、デローザンにとってプラスになるとも付け加えた。

「彼はスパーズを気に入るだろうし、ファンも彼と、彼の家族に愛情を注いでくれる。それにポップも彼にとって大きな存在になるだろう。全員にとって良いシチュエーションだ」

デローザンも、恩師ケーシーの近況を気にしていた。「コーチが幼かった自分を成長させてくれた。今の自分に育ててくれた。今の成功、これまでの成長は、コーチ・ケーシーのおかげ。コーチとゆっくり話ができて良かった。コーチの近況も聞けたし、自分の話もできたからね」と語った。

チームは変わっても、2人の間にある師弟関係は、これからも変わらない。