今週もB1第28節及びB2第29節の試合結果を受けて、特にスタッツ上での活躍が見られた注目選手を紹介し、その理由を分析していこう。
止められないハイポスト!ブライス・ジョンソン(富山グラウジーズ)
横浜ビー・コルセアーズとの2連戦において、合わせて約66分出場し
34PTS、24REB、6ATS、7STLの大活躍で今節の主役となった。特に30分の出場で26PTSの大活躍をしたGAME1について分析していいく。
GAME1のスタッツはこちら
プレータイム(MP)36
得点(PTS)26
3ポイント成功数(3FGM)2
3ポイント成功率(3FG%)100%
フィールドゴール成功数(FGM)11
フィールドゴール成功率(FG%)73.3%
フリースロー成功数(FTM)2
フリースロー成功率(FT%)100%
オフェンスリバウンド(OR)1
リバウンド数(TR)13
アシスト(AST)3
スティール(STL)2
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)3.00
富山といえば、センターのジョシュア・スミスが攻撃の起点になることが多く、ジョンソンはスクリーンやリバウンド、ディフェンスで活躍していたが、今節の富山は違った戦略を見せた。スミスをローポストにポジショニングさせ、ダブルチームを引き出す。その瞬間にダブルチームに入ったDFが元々マークしていた選手へパスを出し、DFをローテーション(それぞれのDFが元々のマークマンではなく別の選手へ順番にマークをずらすアクション)を誘発させ、ジョンソンのマークがミスマッチになった瞬間にパスを出し攻撃させることでイージーなジャンプショットを生み出していた。
ペイントエリアに侵入しすぎてしまうと(密集している)スミスのDFに守られてしまうためスペーシングを意識していたことも、得点を量産できた要因だろう。これを守り切るためには、帰化・アジア枠、日本人ビッグマンの存在が不可欠であり、逆に富山がそういったチームと対戦しない節においては、ジョンソンのFA獲得やベンチに確保しているチームはロスターチェンジを狙いたいところである。
CSに向けて覚醒するエース、比江島慎(宇都宮ブレックス)
新潟アルビレックスBBとの2連戦において、フリースローを12本奪い2試合で28PTSを獲得した。3PTSでスコアを稼ぐ今シーズンのスタイルとは違うスタイルでチームハイスコアラーとなったGAME1を分析していこう。
GAME1のスタッツはこちら
プレータイム(MP)26
得点(PTS)18
3ポイント成功数(3FGM)1
3ポイント成功率(3FG%)25%
フィールドゴール成功数(FGM)4
フィールドゴール成功率(FG%)40%
フリースロー成功数(FTM)9
フリースロー成功率(FT%)100%
オフェンスリバウンド(OR)2
リバウンド数(TR)3
アシスト(AST)2
スティール(STL)1
ブロック(BLK)2
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)2.00
GAME1では新潟が(3PTを打ちやすい)ゾーンDF敷いているにもかかわらず、3PTの決定率に苦しんだが、新潟がマンツーマンDFに切り替わった瞬間に味方のスクリーンを巧く利用することで、チェイスした佐藤公威から2連続ファウルを誘いフリースローを得るとともにベンチへ下がらせ、続く池田雄一に対してもドライブからブロッキングファウルを誘発。後半からはコービー・パラスをつけたが、比江島ステップからフリースローファウルを奪いベンチへ下がらせると、続くマークマンの大矢孝太朗からはAnd1を獲得した。派手なシュートやハイライトプレーこそ鳴りを潜めたものの、相手ベンチへ確実にダメージを与える活躍で18得点を挙げた。
外国籍ルールが存在しない『B.LEAGUE#LIVE2021』においては、スタッツ的に外国籍ガードに押される形にはなるものの、ガード枠に獲得する価値がある選手である。
見せつけた大器の片鱗!角田太輝(佐賀バルーナーズ)
B2最高勝率を誇るファイティングイーグルス名古屋をホームに迎えたGAME1、佐賀の特別指定選手、角田太輝が19得点とチームハイの大活躍を見せた。3試合連続7試合目のスターター起用に答えたGAME1を振り返っていこう。
GAME1のスタッツはこちら
プレータイム(MP)36
得点(PTS)19
3ポイント成功数(3FGM)3
3ポイント成功率(3FG%)50%
フィールドゴール成功数(FGM)4
フィールドゴール成功率(FG%)40%
フリースロー成功数(FTM)9
フリースロー成功率(FT%)100%
オフェンスリバウンド(OR)0
リバウンド数(TR)2
アシスト(AST)3
スティール(STL)0
ブロック(BLK)1
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)3.00
注目は6.5分出場で7得点(得点期待値1.7)を記録した第1クォーター。最初のポゼッションで、FE名古屋からターンオーバーを奪い速攻を決める。パスをうかがいながらヘジテーション&インサイドアウトでDFを見事抜き去りダブルクラッチを決めると、ファイパプ月瑠とのピック&ロールから、キャッチアップのミッドレンジを決めて4点目。さらに続くポゼッションでは同じくパプ月瑠とのピック&ロールから今回はリジェクト(ピックを使わず逆側にドライブ)しアンドリュー・ランダル(FE名古屋)とのスイッチを作り出し、キックアウトパスを受け、クローズアウトが遅れた隙に3ポイントシュートを射抜き、開始3分で7得点と角田の時間を作り出していた。
そもそも平均で10得点を上げられるバックコートはB1/B2合わせて20名程しか存在していないため貴重な存在である。『B.LEAGUE#LIVE2021』において特別指定選手は、試合数の関係で総合力として評価されづらく、FA市場に残っている可能性が高い。特に好調を維持する角田は今後もスターター起用される可能性が高く、注目される前に獲得しておいた方が良いだろう。