河村のスティールからのワンマン速攻で勝負アリ
横浜ビー・コルセアーズvs千葉ジェッツの水曜ナイトゲーム。終盤に逆転を許すも、最後まで内外バランスの良いオフェンスを展開し、河村勇輝のスティールからのワンマン速攻で優位を保った横浜が76-75で勝利した。
序盤はホームの横浜のペースに。シュートタッチの良いレイトン・ハモンズが内外から8連続得点を挙げると、インサイドアウトから森井健太と森川正明が3ポイントシュートを射抜いた。ディフェンスでも森井が富樫勇樹にフェイスガードでつくことでリズムを作らせず、千葉の3ポイントシュートを成功率を14.3%(7本中1本)に抑えた。終盤に出場した大庭岳輝が2本連続で3ポイントシュートを沈めるなど、千葉とは対照的に6本中5本と高確率で3ポイントシュートを成功させた横浜が29-17といきなり2桁のリードを奪った。
千葉は藤永佳昭がスクリーンをかいくぐる際にオフェンスファウルをコールされ、佐藤卓磨が速攻を防いだファウルがアンスポーツマンライクファウルをコールされるなど波に乗れない時間が続く。また、横浜の粘り強いディフェンスの前になかなかセカンドチャンスポイントを奪えず、リズムに乗れないことでアウトサイドシュートの確率が上がってこなかった。
一方の横浜はインサイドで起点を作り、ダブルチームに来られた際には素早いボール回しでオフェンス優位な状況から確実にアウトサイドシュートを沈めた。また、このクォーターだけで7アシストを記録したように、河村勇輝がピック&ロールからズレを作っては決定的なパスを何度も供給した。こうして、攻守が噛み合った横浜は前半のターンオーバーがわずか1と完璧なプレーを披露し、リードを16点に広げて前半を終えた。
だが、後半に入ると千葉の反撃が始まる。アドバンテージのある部分で確実に得点を挙げると、前半は抑えられていた速攻も出始める。富樫がパスカットからワンマン速攻を決め、さらに続けてプルアップの3ポイントシュートを沈め、開始約4分で点差を1桁に戻した。千葉はここまで12得点を挙げ、最も効率の良いプレーをしていたダンカンが腰付近を痛め、その後出場できなくなるアクシデントに見舞われた。その結果、スモールラインナップにせざるを得なくなり、オフェンスリバウンドを何本も許してしまう。それでも、セカンドチャンスポイントを簡単に与えず、富樫のタフな3ポイントシュートで締めて4点差まで詰めて最終クォーターを迎えた。
その後も勢いで勝る千葉の時間帯が続き、佐藤、西村文男、クリストファー・スミスの速攻により、開始2分でついに逆転に成功した。このまま千葉が押し切るかに思われたが、高さの利を最大限に活用した横浜が粘りを見せる。ベクトンがインサイドで力を発揮し、アウダも河村とのホットラインでペイント内でスコアした。さらにオフェンスリバウンドに飛び込み、ティップアウトでポゼッションを渡さなかったキング開が自ら3ポイントシュートを沈めた。そして、5点リードで迎えた残り50秒、河村のビッグプレーが飛び出す。ボールを運ぶ富樫にピッタリと張り付いた河村は一瞬の隙を突いてボールを奪取し、そのままワンマン速攻を成功させた。その後、猛追されたものの、河村のリードを3ポゼッションに広げたビッグプレーが勝負を分け、1点差で逃げ切った。