須藤昂矢

残り19秒、勝利をもたらすリバースレイアップを決める

4月5日、横浜ビー・コルセアーズは、ホームで島根スサノオマジックと対戦。試合終了のブザーが鳴るまで勝敗が分からない激闘を75-74で制し、4連勝を達成している。

試合は40分間を通してリードチェンジを何度も繰り返すなど、一進一退のまま終盤へ。横浜BCが1点を追う第4クォーター残り19秒、コーナーでパスを受けた須藤昂矢が、ベースラインからゴール下へ切れ込むと、ヘルプに来たジェームズ・マイケル・マカドゥのブロックをかわすリバースレイアップを決めて、75-74と逆転に成功する。土壇場で勝ち越した横浜BCはその後、島根のフリースロー失敗にも助けられ、このリードを守り切った。

横浜BCのヘッドコーチ、ラッシ・トゥオビは「島根さんは必ずチャンピオンシップに行けるようなチームで、タフな試合になると分かっていました」と語り、選手たちを称えた。「1週間しっかりと準備をし、それを試合の中で表現できました。リードチェンジ10回、同点の場面が6回と、どう転ぶのか分からない試合でしたが、私たちが少しラッキーだったと思います」

後半戦に入って調子を上げる横浜BCは、上位チームとの対戦も多かった3月を7勝3敗と大きく勝ち越し、この勢いが4月に入っても続いている。指揮官トゥオビは、「シーズンが始まる前、私たちのミッションの一つは、4月にベストのバスケットボールをすることだと言いました。それを全員で有言実行できています」と、今の戦いぶりへの手応えを語る。

勝利の立役者となった須藤は、「すごくタフな試合になりましたが、入りから全員がタフにプレーした結果、競った試合を勝ち切ることができました」と語り、決勝シュートをこう振り返った。

「今日は3ポイントシュートを1本しか打っていなくて、それを外していたので中に入っていく選択をしました。クローズアウトしてくるエヴァンス(ルーク)選手を抜いた後、マカドゥ選手が来るのは分かっていました。普通にレイアップに行ったらブロックされるので、リバースで打つことになりました」

須藤昂矢

「最後の10分で何かを起こせる選手」

この試合での須藤は、持ち味のフィジカルを生かしたディフェンスでこそ存在感を放っていたが、得点はこのシュートの2得点のみ。それでも「あの時間帯で自分に回ってきたらシュートを打つ準備はできていました。思い切りよく行けた結果、決められて良かったです」と、強い気持ちでコートに立っていた。この責任感が「リバースレイアップの練習は普段していないですが、咄嗟に出た動きでした」と説明する値千金のシュートを生み出した。

トゥオビヘッドコーチは、須藤の勝負強さについて「彼がビッグショットを決めて勝てたのはうれしいです。彼はどんな状況でも恐れず、責任を担うことができる選手です。彼はいつでもXファクターになれます。最初の30分間で沈黙していても最後の10分で何かを起こせる選手です」と絶大な信頼を寄せている。

今日の試合に限らず、横浜BCは3月12日のシーホース三河戦で86-85、3月26日の大阪エヴェッサ戦で99-96と、接戦を制する勝負強さが目立つようになってきた。須藤は「チームとして落ち着きはあります」と自信を見せる。

「競った試合を勝ち取れることが増えてきました。自分たちの勝ちパターンとまでいかなくても、接戦でも冷静にプレーできています。要所で攻めどころをはっきりさせて、どういうプレーをすればいいのか共通認識を持てています」

横浜BCは21勝26敗、中地区6位と下位に沈んでいるが、今日見せた爆発力は上位チームにも引けを取らない。残り試合数は12、勝率5割以上でシーズンを終えても驚きではないハイパフォーマンスを見せている。