ケビン・ラブ

指揮官の期待に応え、後半に22得点を固めたラブ

現地2月4日、ホーネッツvsキャバリアーズの一戦は一つのプレーから試合の潮目が変わった。

第3クォーターを終えた時点でキャブズが76-65とリードし、最終クォーターに入っても10点前後のリードをキープしたキャブズが優勢だった。しかし、残り4分44秒に問題のプレーが起こった。オフェンスリバウンドに絡んだディーン・ウェイドがベースラインを踏み、アウトオブバウンズがコールされた。しかし、プレーは続行され、テリー・ロジアーが3ポイントシュートを放った際にベンチに座っていたキャブズのエド・デイビスがロジアーに触れた行為がテクニカルファウルの対象となった。さらにこの3ポイントシュートは外れたにもかかわらずカウントとなり、ホーネッツはこの一連の流れで4点を加点し、一気に2ポゼッション差に迫った。

後にオフィシャルはこのシュートをカウントするべきではなかったと認めたが、これで流れをつかんだホーネッツはここから怒涛の反撃を開始した。PJ・ワシントンの2連続3ポイントシュート成功で同点に追いつくと、残り46秒にはケリー・ウーブレイJr.が3ポイントシュートを沈めて3点のリードを奪った。

ジャレット・アレンのティップで1点差に迫ったキャブズは、最後のオフェンスでブランドン・グッドウィンがミドルシュートを放つもこれが外れてしまう。万事休すかと思われたが、ラブがオフェンスリバウンドをもぎ取り、残り1.2秒でシューティングファウルを獲得。そして、このフリースローを落ち着いて2本とも成功させ、キャブズが土壇場で102-101の勝利を手にした。

ラブは6本の3ポイントシュート成功を含む25得点を記録し、そのうち決勝のフリースローを含む22得点を後半に固めた。この後半の素晴らしいパフォーマンスの裏には指揮官のJ.B.ビッカースタッフからのアドバイスがあったという。「ハーフタイムに『どうしてポンプフェイクばかりしているんだ? もうフェイクはいい』ってJBが僕に言ったんだ。JBは僕に自信を持ってシュートを打ってほしかったんだ」

ビッカースタッフは自身の期待に応え、チームを勝利に導いたラブを称賛した。「彼はケビン・ラブだ。フリースローラインに向かう時、彼が2本とも決めてくれると我々は信じていた。彼はいろいろな状況を経験してきたし、プレッシャーに押しつぶされる瞬間などないんだ」

また、この試合ではジャレッド・アレンがキャリアハイとなる29得点に加え、22リバウンドを記録する大活躍を見せた。アレンはここまで平均16.7得点、10.7リバウンドを記録し、好調なチームを支えるキーマンとなっていたが、オールスターには選出されなかった。ラブは「彼は僕が毎晩競い合いたい相手なんだ。僕の中では彼がオールスターであることに疑いの余地はない」と語り、チームメートのオールスター落選をフォローした。

オールスターのダリアス・ガーランドが不在で、不可解なコールにも屈せずに逆転勝利を収めたキャブズは4位に浮上した。東カンファレンスは1位のブルズから5位のバックスまで1.5ゲーム差とまれに見る混戦模様だが、この強さを維持できれば第1シードでのプレーオフ進出も夢ではない。