初戦で接戦を落とすも、見応えある戦いぶりで準々決勝進出
9月9日からイランのテヘランで開催されている『2016 FIBA ASIAチャレンジ』に参戦中の男子日本代表が、ここまで上々の戦いを演じている。
初戦の韓国戦は、抜きつ抜かれつの接戦を演じながら終盤にミスによる自滅で敗れる悔しいスタートとなったが、続くタイ戦は時間の経過とともに尻上がりで調子を上げて29点差の大勝。さらにイラク戦では最終クォーター残り2秒で古川孝敏が決勝シュートを決める劇的な勝利を挙げた。
続いてはホスト国であるイランとの対戦。4連戦の3試合目、辻直人がイラク戦のケガで欠場する中、強豪イランを終盤まで苦しめるも、わずかに及ばず敗戦。それでも予選ラウンド最終戦、過密日程で疲労が溜まる中で12人の登録選手全員でプレータイムをシェアしながら戦い、40分間安定したパフォーマンスを見せてカタールに競り勝ち、予選ラウンド3勝2敗で決勝トーナメントを決めた。
9月 9日 ● 73-80 韓国
9月11日 ○ 96-67 タイ
9月12日 ○ 67-65 イラク
9月13日 ● 57-68 イラン
9月14日 ○ 79-65 カタール
9月16日 準々決勝 vsヨルダン
9月17日 準決勝・順位決定戦
9月18日 決勝・順位決定戦
対するヨルダンは平均100得点超えとオフェンスが好調
昨日の休養日を挟み、今日から決勝トーナメントが始まる。日本はヨルダンとの対戦。
この大会は、来年開催されるFIBAアジアカップの出場枠争いを兼ねている。日本が所属する「東アジアサブゾーン」(地域)が2枠しか持っていないFIBAアジアカップの出場枠が、今大会の上位5チームが属するサブゾーンに振り分けられるのだ。東アジアサブゾーンから参戦している日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイは、4チームすべてが決勝トーナメント進出を果たした。
韓国とチャイニーズ・タイペイは今日18時半(日本時間)から準々決勝で対戦。どちらが勝っても東アジアサブゾーンが4強入りを果たすことになるため、まず1枠は確保した。さらに20時45分からの試合で中国がイラクに、そして25時15分からの試合で日本がヨルダンに勝てば、東アジアサブゾーンの枠をそれぞれ増やすことができる。
ここまで日本は5試合を戦って平均74.4得点で、全12チーム中9位と物足りなさは否めない。そして今夜対戦するヨルダンは12チーム中トップの平均102.8得点を記録。5試合を戦ってフィールドゴール率50%とオフェンスが絶好調だ。注意すべきはアメリカからの帰化選手であるシューティングガードのダー・タッカー。ここまで平均27.4得点は大会トップの数字。4戦目のチャイニーズ・タイペイ戦で36得点、5戦目のフィリピン戦で37得点と、試合を重ねるごとに得点を伸ばしている。
それでも日本も篠山竜青、比江島慎、太田敦也、そして帰化申請が下りてチームに加わったアイラ・ブラウンと、各ポジションに好調な選手を擁している。辻も戦線復帰し、昨日の休養日を経てコンディションを戻しているはず。攻守ともに調子は悪くない。まずは立ち上がりで受け身にならないこと。各クォーター開始時点のアプローチでミスをしないことが勝利への大前提となる。
世界で通用するためには、まずアジアから。ヨルダンとの決戦は、『2016 FIBA ASIAチャレンジ』で最も重要な一戦となる。