アデトクンボはこの人事に関与せず、バックス退団へ?
バックスは新たなヘッドコーチとしてテイラー・ジェンキンスを選んだ。昨シーズン終盤までグリズリーズを6シーズン率いた彼は、その前年にバックスでアシスタントコーチを務めている。ジョン・ホーストGMは「長年の友人のように連絡を取り合ってきた。しかし、友達だから雇ったわけではない。プロとして、一人の人間として、彼を心から尊敬している」とジェンキンスを紹介した。
ジェンキンスも、ヘッドコーチとして独り立ちする準備をマイク・ブーデンフォルツァーの下で行ったバックスに愛着を持っていた。「1年間で絆を築き、このクラブが大切にする『家族』という価値観に魅了されて戻ってきた。チームをどう作っていくか、どんなバスケをするか深いレベルまで話す時も、お互いのビジョンや基準が同じなので会話がスムーズだ。お互いに励まし合い、誰の功績でもなく『我々』として物事を進めていく。このチームにはそんな文化がある」とジェンキンスは言う。
ジェンキンスがアシスタントコーチを務めた2018-19シーズンに、ヤニス・アデトクンボを擁するチームで初めてカンファレンスファイナルに進出した。バックスにとっては2年後のNBA優勝に繋がる、ジェンキンスにとってもグリズリーズからオファーを得る重要なステップだった。
それからずっと続いていたプレーオフ進出が今シーズンついに途切れ、チームは再建に入る可能性が高い。それはアデトクンボの去就がいよいよ分からないからだ。
アデトクンボが『チームの顔』となり、2021年に優勝を果たした後、フロントは彼の顔色をうかがうようになった。優勝コーチのブーデンフォルツァーを解任して若いエイドリアン・グリフィンを迎え入れた時、そのグリフィンをすぐさま見切ってドック・リバースを招聘した時、いずれもアデトクンボは編成責任者のようにコーチとの面談を行った。しかし、今回のコーチ人事に彼は関与していない。「自分のキャリアを振り返って、優勝が1回だけだったなんて嫌だ」というアデトクンボは、バックスを離れる時期に来たように思える。
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— Milwaukee Bucks (@Bucks) May 6, 2026
ジェンキンスは、ヘッドコーチ就任が決まってからアデトクンボと良いコミュニケーションが取れていると語ったが、「ヤニスだけでなく、全選手と電話や対面で話し始めている」と、あくまでアデトクンボを選手の一人として語った。
「ヤニスの去就についても、フロントと隠し立てせずすべてを話し合った。チーム編成の詳細は言わないが、コーチとしてオフシーズンからトレーニングキャンプに向けた準備を進めるために、透明性を持った会話ができている」
「私のやり方はとてもシンプルだ」とジェンキンスは言う。「競争、団結、成長。何度も言われるから選手たちは飽きるだろうが(笑)、この3つを大事にしていく。コート上だけでなくコートの外でも、いかに競争心を持てるか。個人のエゴを出さず、ともに歩めるか。グリズリーズでの6年間も、『日々成長するために何が必要か』を考える毎日だった。私が掲げる『競争心』とは単に激しくプレーするだけでなく、準備、遂行、犠牲、成長のためにあと一歩前に踏み出す意欲のことだ。私は競争することに執着するし、それを楽しみたい。このチームのロスターを見てワクワクするのは、彼らが私の創造性を引き出し、新しい哲学を生み出せると感じているからだ」
会見に同席した共同オーナーのジミー・ハスラムは、アデトクンボの去就について「これからヤニスと話し合うが、ドラフトまでには彼がマックス契約を結んで残留するか、移籍するかが決まる。バックスと彼にとって最善の道を決めたい」と明言した。
「我々はテイラーに『ヤニスが残留するかどうかは分からない。ヤニスがいる前提で決めてはいけない』と伝えた。そこは正直であるべきだと思ったからだ」とハスラムは言い、ジェンキンスもそれを理解した。
「私は以前に所属したことで、この組織が何を重視するかを理解している」とジェンキンスは言った。バックスはついにアデトクンボ抜きでの新たなスタートを切る覚悟を決めたように見える新ヘッドコーチ就任会見だった。
