
チーム状況に応じて変えられるプレースタイル
4月11日から12日に渡って『MANDOM presents 飯塚カップ 2026』が開催された。2023年から続くこの大会は、地元の福岡大学附属大濠、福岡第一に加えて、東山と開志国際が総当たり戦で対戦する。開志国際は、髙橋歩路や池田楓真といった主力がU18日本代表活動のため不参加となったことで、新1年生が初めて参加する飯塚カップらしい起用が多く見られた。
開志国際はトランジションオフェンスを得意とし、富樫英樹コーチは「入れられたら2秒後に得点しろ」と普段から選手に伝えているという。そして、富樫コーチは「塩谷君のような視野を持っているガードが入ってきたのは、かなりうれしいです。本当に今大会では助かりました」と、アウトレットパスを受けると前線に素早くパスを供給するプレーを連発した塩谷空冴について語った。1年生ポイントガードの塩谷は初戦の福岡大学附属大濠戦で31分18秒プレーし、13得点2アシスト1スティールを記録。試合には敗れたものの大きなインパクトを残した。
しかし、2日目の福岡第一との試合では昨日とは打って変わってゲームコントロールに徹していた。周りのコンディションを見ながら、プレースタイルを変えたと塩谷は明かした。「昨日は先輩たちがほぼフルで出場していて疲れている感じがしたので、自分がガードとして得点を取ってチームに勢いを与えるようにしました。2日目はコンスタントに交代していたので、得点するよりも自分がドライブで切り込んでディフェンスを崩してパスすることを意識していました」
初日のアタックモードと2日目の味方を生かすプレー。この使い分けを可能にしたのは、先輩ポイントガードの池田の助言のおかげだと言う。「『ガードが怖くない』と思われたらヘルプディフェンスは寄ってこないので、ガードが攻め気を出すことが重要。もっと自分を出さなきゃいけないとアドバイスをもらいました」。
アドバイスをもらったからといってすぐに実行に移して結果を出すことは難しい。チームのコンディションを見ながら試合を組み立て、得点を奪う積極的なプレーをしたかと思えば、ヘルプディフェンスが寄るとパスに切り替える状況判断の良さ、その戦術眼とアドバイスを自分のモノにして実戦する適応力から塩谷のバスケットIQの高さが垣間見ることができた。

「宮城選手とのマッチアップはめちゃめちゃ楽しかったです」
コーチが称賛するプレーを見せた塩谷だが、3試合を終えて「まだまだですね」と課題を挙げた。「ディフェンスの部分でフィジカルの違いを感じました。オフェンス面ではやはり3ポイントシュート、ピックからのプルアップスリーの決定力は高めていきたいと思います」
そして大きな刺激もあった。「宮城(昊河)選手とのマッチアップはめちゃめちゃ楽しかったです。今日はピック&ロールからやられてしまったので、次に対戦した時はバチバチに止めていきたいと思います」と目を輝かせた。
塩谷が名前を挙げた宮城は、琉球ゴールデンキングスU15で『BリーグU15チャンピオンシップ2026』を制覇して連覇に貢献。自身も大会MVPに選ばれた逸材で、今大会でも167cmながら3ポイントシュートを武器に平均10.3得点をマークして大会を沸かせた。彼とのマッチアップを通じて「同じ身長なので、負けてられないです」と、闘争心に火が付いた。
高速バスケットを信条にするチームに塩谷がフィットすることは間違い無いだろう。飯塚カップで通用したゲームコントロール力、課題となったフィジカル面の強化、そしてワクワクを得ることとなった新たなライバルの出現。塩谷にとって実りある大会になったに違いない。