「自分なりのリーダー像を見つけていきたい」
11月27日、バスケットボール男子日本代表は明日に迫った『FIBAワールドカップ2027アジア地区予選』Window1のチャイニーズ・タイペイ戦に向けた前日練習を、試合会場のGLION ARENA KOBEで行った。
今回、日本はチャイニーズ・タイペイとホーム&アウェーで対決。今後の勝ち上がりのことを考えると、ここで2勝を確実につかみたいところだ。逆に連敗、もしくは1勝1敗でも、得失点差で下回る状況になった場合は、1次ラウンド敗退が一気に現実味を帯びてくる。
今夏、日本はアジアカップ2025をベスト8決定戦での敗退と失意の結果に終わった。アジアカップでジョシュ・ホーキンソンと共に主将を務めた馬場雄大は、この大会で得た教訓をこう語る。
「遂行力が足りていなかったところはありますが、この部分の修正はコーチングスタッフがしっかりと対応してくれています。あとはメンタリティーのところで準備する心、相手を迎え撃つ強い気持ちがまだまだ足りなかったです。そこはアジアカップで悔しさを経験している自分が率先していきたいです」
ここ数年、日本代表はワールドカップ2023でアジア1位になると、パリ五輪でもフランス代表と激闘を演じるなど大きな爪痕を残した。世界のバスケットボール界において、日本はアジアの強国の立場を確立しつつあったが、アジアカップでその流れを止めてしまった。馬場は「一回リセットしないといけない」と、チャレンジーとして初心に帰ることの大切さを語る。
「アジアカップでは追われる立場だと感じましたが、ワールドカップに出る前のメンタリティーを思い出さないといけないです。今の僕たちはアンダードッグです。向かってくる国々に対して、自分たちのバスケを遂行し、成長した姿を見せていきたいです」
そして、「本当に結果を残さないといけない危機感はあります」と、自国開催によってどんなに成績が悪くても予選突破が決まっていた前回の予選とは違うことを肝に銘じている。「前回は自国開催が決まっていたので、(最初に結果が出ていなくても)どうにかなるという気持ちは多少なりともあったところはあります。しかし、今回は序盤に負けたら終わりという中でより気を引き締めないといけないです」
アジアカップに引き続き、馬場はこの予選でも中心選手としての役割が期待される。今回は渡邊雄太がキャプテンとなったが、引き続きリーダーシップの面でもチームを助けていきたいと言う。「初めてだったり、代表経験の少ない選手と、豊富な選手を結びつけるコネクターの役割をやっていきたいです。そして、リーダーにはいろいろな形があると思っています。周囲を引っ張るだけではない、チームを作っていく中で必要な存在として、自分なりのリーダー像を見つけていきたいです」
チャイニーズ・タイペイと日本の間に大きな実力差はなく、簡単な試合にはならないことは間違いない。ただ、馬場は「自分たちがコントロールできるところをやり切れば、自ずと結果はついてくる。自分たちにベクトルを向けてやるだけです」と力強く語った。
日本が重圧のかかる中でも自分たちのやるべきプレーをしっかりと遂行するためにも、馬場の攻守におけるアグレッシブなプレーが必要だ。
