マイルズ・ターナー

「ここが僕のいるべき場所だという結論に達した」

フリーエージェントとなったマイルズ・ターナーは、バックスと4年1億700万ドル(約160億円)の契約を結んだ。バックスの緑色のロゴを背景にしたターナーは「緑色のユニフォームを着ている姿に慣れるのに少し時間がかかるかもしれないけど、僕の彼女は似合うと言ってくれたから安心している」と笑顔を見せた。

ターナーはペイサーズ一筋10年のキャリアを過ごしており、初めてNBAファイナルを経験したばかり。それにもかかわらず移籍を選んだのは大きなサプライズだったが、その2つの要素こそが今回の移籍の決め手だった。

バックスでの加入会見を行ったターナーは、「一昨シーズンはカンファレンスファイナルに、昨シーズンはNBAファイナルに進出した経験は、僕のリーグに対する考え方を完全に変えた。重要なのは競争力を保つことなんだ」と語る。「僕はこれまで高校も大学もNBAでも、1つのチームにしか所属したことがない。でも、僕は変化に前向きだった。成長したいのなら変化は避けられない。自分にとっての成功のチャンスが訪れたなら、つかむべきだと感じた」

ペイサーズを離れる決断は「10代から10年も過ごした場所だから、簡単ではなかった」と言うが、その寂しさを新天地の興奮が上回る。「キャリアと人生を見つめ直し、自分が本当に望んでいるのは何かと考えた時に、バックスが築き上げているものが見えた。最終的に、ここが僕のいるべき場所だという結論に達した」

ペイサーズについては「意見のすり合わせが上手くいかなかったけど、敬意があるから多くを語るつもりはない」と言い、「ペイサーズのグループメッセージで移籍を伝えた。SNSを通じて彼らが知るようなことは避けたかった」と続けた。

バックスのエース、ヤニス・アデトクンボとはチャットで多少のコミュニケーションを取った。「まだ休暇中だから、この先の数週間でいろんな話をすることになる。ずっと対戦してきたから、彼が何をできるのかは分かっている。僕らはすぐにフィットすると思う」と言い、「彼のドライブを胸で受け止めなきゃいけないのにうんざりしてたから、同じチームになれて良かったよ」と笑った。

とはいえ、バックスは2021-22シーズンの優勝以降、翌シーズンはセカンドラウンドで、直近の2シーズンはペイサーズを相手にファーストラウンド敗退を喫している。今オフもターナーの獲得には成功したがブルック・ロペスとデイミアン・リラードを失っている。それでもターナーに言わせれば、バックスの『競争力』には非の打ちどころがない。その根拠はゲイリー・トレントJr.やボビー・ポーティス、トーリアン・プリンス、ライアン・ロリンズが再契約したことだ。

「ペイサーズは若くてハングリーだったけど、バックスはベテランが多く、絶対に勝つという執念があった。対戦する中で僕はそれに気付き、それが何なのか興味を持った。多くの選手がバックスのビジョンを信じて残留を決めている。僕はそれに共感したんだ」

「よく『隣の芝生は青く見える』と言うけど、どこに行ってもそこの芝生を青くすればいいと思っている」とターナーは言う。「来シーズンの東カンファレンスは全く予想がつかないと言われているけど、僕は自信を持っている。プレッシャーは全く感じていない。何を成し遂げられるかにワクワクしているよ」