エース好調に加え、3ポイントシュート封じも機能
6つのテクニカルファウルがコールされる荒れた展開となった第3戦をキャバリアーズが22点の大差で勝利し、これで1勝2敗とペイサーズに一矢報いました。すべてロードのチームが勝つ珍しいシリーズは、両チームが勢いや雰囲気に飲まれることなく高い集中力で戦っています。
ダリアス・ガーランド、エバン・モーブリー、デアンドレ・ハンターの復帰でキャブスは第1シードとしての強さを示しました。特に控えポイントガードのタイ・ジェロームがペイサーズの対策に苦しみ続けており、この試合も2得点0アシスト3ターンオーバーと低調でしたが、ガーランドとプレータイムをシェアできたことで大きな問題にならなかったことは過去2試合との大きな違いでした。
またペイサーズに30本決められていた3ポイントシュートは、3-2ゾーンを使ってボールへのプレッシャーを強めると同時に、ピック&ロールからのミスマッチ誘導を防ぐことで、この試合では9本に抑え込んでいます。ペイント内失点は48点とインサイドを攻め込まれはしたものの、ゲームプランの変更が上手くいきました。
そしてオフェンスではドノバン・ミッチェルが第1クォーターにスピンムーブからダンクに行き、ブロックショットに来たマイルズ・ターナーをかわす驚異的なダブルクラッチでバスケット・カウントをねじ込み、そこからドライブ、3ポイントシュート、ファールドローと面白いようにペイサーズディフェンスを破壊していき、43得点を奪い取りました。
これでミッチェルは3試合107分で124得点とアンタッチャブルなプレーを続けており、最後は敵地インディアナのファンもお手上げとばかりに、フリースローの邪魔をする人数が減っていきました。シリーズをリードしているペイサーズですが、いまだにミッチェルへの対応策が見つかりません。
キャブスは3ポイントシュート成功率が30%を下回っており、シュートタッチは低調ですが、オフェンスリバウンドを18も奪いセカンドチャンスだけで31得点を記録しています。ペイサーズとしてはミッチェルにディフェンスを乱されてしまうので、リバウンドに備えられないシーンが多発しており、単なるリバウンド意識では解決しそうにありません。
点の取り合いはペイサーズにとっても得意分野ですが、オフェンスリバウンドを取られるだけでなく、ファウルでフリースローを与えるとカウンターアタックの機会が生まれません。ミッチェルへの対策を強めるのか、それともオフェンスを重視してハイスコアゲームに振り切るのか。第4戦はペイサーズのアジャストに注目です。