シェイ「今日は僕たちの理想の姿を体現できた」
サンダーはナゲッツとのカンファレンスセミファイナル初戦で、アーロン・ゴードンの劇的なゲームウィナーに沈められた。この第1戦で両チームに見られた差は強さではなく勢いで、グリズリーズを4連勝で一蹴したサンダーは中8日と試合間隔が空いたのに対し、ナゲッツは『GAME7』までもつれたクリッパーズとの激闘を制し、その勢いを中1日のサンダー戦に持ち込んでいた。
この敗戦の屈辱はサンダーの錆び付きをすべて取り去った。現地5月7日の第2戦、サンダーは第1クォーターを45-21と圧倒すると、前半終了時点で87-56、第3クォーターで124-76とナゲッツを圧倒した。
シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはフィールドゴール13本中11本成功、フリースローは11本すべてを成功させて34得点8アシストと、エースの責任を完璧な形で果たしたシェイは試合をこう振り返る。「第1戦も試合をほぼ支配していたけど、終盤に問題が出てしまった。でも今日は僕たちの理想の姿を体現できたと思う。自分たちのアイデンティティ通りにプレーし、集中していたし、自信があった。そのすべてを満たせば、試合は今日のような結果になる」
シェイの活躍は素晴らしかったが、称賛すべきはエースだけでなく全員のハードワークであり、特にナゲッツの2点シュートを50本中18本(36.0%)と抑え込んだインサイド陣のディフェンスは素晴らしかった。
15得点11リバウンド2アシスト2スティール2ブロック。攻守にハイレベルな活躍を見せたチェット・ホルムグレンは、「初戦の負けは本当に痛かった。でも、ミスを恐れていてはいけない」と語った。第1戦ではファウルトラブルになってプレーの強度を落としてしまい、さらに残り9秒でのフリースローを2本落とす『戦犯』とも言うべき失敗を犯していた。彼にとっては、雪辱を果たすパフォーマンスとなった。
ベテランの「逃げちゃダメだ」のアドバイスに感謝
ホルムグレンは、手痛い失敗から気持ちを切り替えるきっかけをあたえてくれたケンリッチ・ウィリアムズへの感謝を公の場で語った。「SNSはあまり見ないようにしているけど、今回はキツかった。そこで支えてくれたのがケンリッチなんだ。昨日の夜は一緒にプレーオフの試合を観戦して、アドバイスをくれた。これまでのキャリアで重要なフリースローを外したことも決めたこともある彼が、『逃げちゃダメだ。同じフリースローの機会がまた来ることを願い、その時にちゃんと決めればいい』とアドバイスしてくれた。おかげで前向きになれた」
ナゲッツに勝つためにはニコラ・ヨキッチを何とかして抑え込む必要がある。この試合のヨキッチは17得点8リバウンド6アシストで、早々にファウルアウトとなりコートを去った。誰がマークしても抑えられないヨキッチを止める方法を問われたホルムグレンは「今日は僕と彼とのマッチアップではなかった、と言うべきかな」と答えた。「スクリーンをかいくぐって走り回る選手、試合を通じて身体を張ってハードワークしてくれた選手たちに多くの功績がある。みんながこの調子で続けてくれれば、また上手くやれると思う」
「僕としては、ヨキッチの高いバスケIQを理解して、スマートに対応できたと思う。大事なのは彼に有利な状況を作らないこと。無理なディフェンスは隙を作り、それは必ず突かれてしまう。賢く堅実に、我慢強く。どこでフィジカルにいき、どこでいかないかを判断するんだ」
同じくセンターのアイザイア・ハーテンシュタインは14得点8リバウンド5アシスト1スティール1ブロックを記録。ホルムグレンほどの数字のインパクトはないが、ホルムグレンが26分、ハーテンシュタインは22分とタイムシェアしながら、常に高いリムプロテクト能力を発揮した。シェイの得点能力はもちろんだが、『ツインタワー』が安定すればサンダーはディフェンスとリバウンドでも強みを発揮できる。