文=丸山素行 写真=小永吉陽子

208cmの高さを誇る北陸のシェーク・ケイタがペイントを支配

『JX-ENEOSウインターカップ2016』3日目、男子はシード校が登場し、福岡大学附属大濠(福岡県)と北陸(福井県)が対戦した。昨年のインターハイで北陸に敗れた福岡大学附属大濠にとってはリベンジの機会だったが、シェーク・ケイタとジャビ・アビブの強力インサイドの前に再び涙を飲んだ。

一進一退の攻防が続き、第4クォーター開始時点で63-61とわずかながらリードしていたのは福岡大学附属大濠。それでも互いに激しく攻め合う展開の中、208cmの高さを誇る北陸のエース、ケイタにインサイドを突かれ逆転を許す。

「ゲームのことに関しては計算通りの運びができたが勝負どころでペイントの得点が少なかったと思います」と片峯聡太コーチが振り返るように、福岡大学附属大濠はインサイドで攻守に後手に回った。

しかし、U-18日本代表でも活躍する西田優大、鍵冨太雅らフォワード陣がガンガン攻めることを強みにするチームにとっては、ペイントエリアでの劣勢をその外で挽回することは可能だったはず。そういう意味での片峯コーチの『計算通り』なのだろう。

実際、残り3分を切ってから西田が3ポイントシュートを3本連続で沈め、逆転に成功している。それでもインサイドを突かれディフェンスが収縮したところを外から射抜かれ、再逆転を許したのは誤算だった。

残り20秒、福岡大学附属大濠はフリースローを1本成功させ81-82としファウルゲームに持ち込むも、きっちり対応され83-86と一歩及ばずに敗れた。

「北陸への苦手意識はないが、壁を乗り越えられなかった」

片峯コーチは「40分間トータルで見た時に、インサイドを制するチームが結果に残るとあらためて感じた」と試合を振り返る。「この点差で負けているので、僕がまだまだ力不足。ゲームの流れで勝ち試合にできたところで、自分自身の反省しかないです」

「夏の汚名返上」という思いを持ってウインターカップに臨んだという西田。ゲームハイの34得点を挙げながら勝利という結果をもたらせなかったことにエースとしての責任を感じ、言葉を詰まらせながらも「留学生がいる分、リバウンドだったり詰めの部分で相手にイージーな形で得点されてしまった」と敗因を語った。

キャプテンの鍵冨は「北陸への苦手意識はないが、その壁を乗り越えられなかった。1試合勝つことの難しさが分かった」と悔しさをにじませた。

想定していたより何日か早く大会を去ることになったが、鍵冨は卒業後にアメリカのプレップスクールへ行くことが決まっている。大濠での3年間では「根性や気合、追い込まれた時にどう頑張るか。キツい場面でどう立ち向かうかという日本的な良いところを吸収できました」と語る。

高校バスケは引退となるが、この日の勝敗にかかわらずキャリアは続いていく。鍵冨は言う。「目標はアメリカの大学に行くことなので、一つひとつ一生懸命さを持って、どこまでいけるかチャレンジしたいです」

会心の試合運びで優勝候補との接戦を制した北陸は、明日13時20分から育英(兵庫県)と対戦する。

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