田中は元チームメートの安藤を「勝者のメンタリティを持っている選手」
積極補強で注目を集めた島根スサノオマジックはチャンピオンシップクォーターファイナルでアルバルク東京と対戦する。
その大型補強のうちの一人、安藤誓哉はA東京に多くの栄光をもたらしてきた。A東京時代には連覇を達成するなど、もちろん思い入れのあるチームで、安藤は「楽しみですし、燃えています」と語り、古巣対決を心待ちにしている。「自分がお世話になり、一緒に戦い抜いてきたチームとこういう場でやれるのは本当に最高です。ファンの方には安藤誓哉も成長したなと、持ち味であるエナジー溢れるプレーを期待して見てほしい」
そんな元チームメートと相対する田中大貴は安藤のことを「良いシーズンを送っている選手の一人」と称し、警戒している。「自分たちと一緒に2回優勝していますし、勝者のメンタリティを持っている選手。それなりの覚悟を持って移籍してチームを引っ張っている。島根のキーとなる選手の一人です。前回の対戦では彼に気持ち良くプレーさせてしまったので、彼を止めることが必要になってきます」
大型補強で飛躍を遂げた島根にとってチャンピオンシップは未知の舞台となる。チャンピオンシップを経験している選手も少なく、安藤はそんなチームを牽引する覚悟ができている。「僕がこのチームに移籍するにあたって、クラブにかかわるすべての人たちの期待を感じられて、優勝するために来てほしいと言われました。僕が今まで4年間いたチームから離れて、ここで優勝するという新たな挑戦が今、ここでうまく重なり合ったなと思っています。一人ひとりの選手たちに期待があり、チーム全員で戦ってきました。僕がポイントガードとして、キャプテンとして、一つにするために先頭に立っていきたい」
また、注目の選手を聞かれた安藤は「リード(トラビス)がようやく復帰し、これでやっと本当の総力戦になるので、リードに注目」と、パワーフォワードのトラビスの名前を挙げた。
主力選手が復帰した島根とは対照的に、A東京はシーズン終盤にパワーフォワード兼センターのライアン・ロシター、センターのアレックス・カークと主力の負傷離脱が相次いだ。ポイントガードのジョーダン・テイラーの復帰は朗報だが、高さのアドバンテージを失ったことはチャンピオンシップを迎えるにあたり不安が残る。実際に田中も「彼らが出られないのは、誰が見ても難しい状況」と認めている。
それでも、困難が多く生じた中で東地区3位の成績を残したことを田中は誇りに思っている。「メンバーが大きく変わり、全員が揃って練習ができず、ケガ人も出て、そういったことを考えると積み上げの部分で難しかったです。でも個人的にはよく我慢してこの位置をキープできたと思います」
A東京が安定した成績を残せているのはメンバーが変わっても強度が落ちないディフェンス力があるからこそ。田中も「ディフェンスのチームなので、そこを崩さずに戦うことができればどのチームにも勝つチャンスがある」と強調する。「ケガをして、インサイドの重要な選手がいない状況では多くの点数を取るのは普段と違って難しいと思うので、ディフェンスで相手をどれだけ抑えられるか。ディフェンスの良いチームが優勝すると自分は思っているので、アルバルクのディフェンスをチャンピオンシップでも発揮できるようにして、自分たちの持てるものをすべてぶつけるしかないです」
ポストシーズンでの経験という意味ではA東京に分がある。安藤も過去の自分を振り返り、A東京が持つ強さをあらためて警戒した。「ワイルドカードからの2連覇を思い出しましたが、その時は自分たちを信じ切っていて、ホームもアウェーも関係ないという勢いでやっていました。ホーム開催を勝ち取った立場になりましたが、会場を真っ青に染めるファンの声援を力に変えて、ベストを尽くすしかその勢いを止める方法はないと思います」
注目の古巣対決は5月14日、島根のホーム松江市総合体育館で13時35分ティップオフとなる。
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