マリオ・チャルマーズ

10日間契約では出番なし、ヒート傘下のGリーグチームでチャンスを待つ

マリオ・チャルマーズの名前は、レブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの『スリーキングス』を擁したヒート黄金期、2012年と2013年にNBA優勝に貢献したポイントガードとして記録されている。だが彼はまだ現役で、NBA復帰の可能性に賭けている。

そのチャンスが昨年末に巡ってきた。NBAでは健康安全プロトコル入りする選手が続出し、試合開催に必要な選手数を揃えられない事態が頻発する中、レギュラーシーズンのスケジュールを消化するために、代替選手を10日間契約で加える特例を定めた。そこでヒートが白羽の矢を立てたのがチャルマーズだった。

2008年のNBAドラフト全体34位指名を受けてヒートに加わったチャルマーズは、チームの黄金期に活躍したものの、2015-16シーズン序盤にグリズリーズにトレードされている。当時29歳で、まだキャリアに先はあるはずだったが、このシーズン途中にアキレス腱断裂の大ケガを負った。翌シーズンをリハビリに費やし、2017-18シーズンに復帰したものの、ケガの影響で思うようなプレーができず。その後は海外でプレーを続けていた。

昨年末にヒートと10日間契約を結んだものの、この間に試合出場の機会はなかった。35歳になったチャルマーズが、約4年ぶりのNBA復帰を果たせず失望するのは当然のこと。「プレーするものだと思っていたし、このために一生懸命トレーニングしてきたんだから、ガッカリしたよ」と『Miami Herald』に対して彼は言う。「自分がどれだけ練習してきたか、まだこのレベルでプレーできることをNBAのチームに見せたかった。僕自身の闘争心という意味でも、絶対にプレーして成功を収めたかった」

「だけど、今のヒートで何が起きているかを見れば、不満には思わない。チームはNBAファイナルに進むための使命感を持って戦っている。僕はその一部でありたいし、間違ってもその邪魔はしたくない。このチームで自分のエゴを通そうとは思わないよ」

ヒートは彼に、傘下のGリーグチームであるスーフォールズ・スカイフォースの契約を提示した。これは、いざ必要とする時にはすぐにコールアップする、という意思表示だ。「僕はまだ現役としてプレーしたい。これがベストな道だと思う」と彼は言う。

「僕はここでベテランらしくリーダーシップを発揮し、まだプレーできることを理解してもらう。上手く行けばヒートと2度目の10日間契約を結び、その次はシーズン終了までの契約ができるかもしれない。僕は今までと変わらず、カテゴリーが何であれ優勝を目標にして戦う。海外ではなくアメリカでプレーして、優勝を目指してプレーする。まさに素晴らしいチャンスだよ」

「アキレス腱断裂を経験して、海外でプレーする間に年齢も重ねた。この4年間でいろんなバスケの世界を見て、順応してきた。そこで僕は感謝することを覚えた。こうして古巣のヒートでチャンスを得られることに感謝しているよ」