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古くは殿堂入り選手のリック・バリーも『下手投げ』を採用

ロケッツのルーキー、チナヌ・オヌワクのフリースロー投法が話題を集めている。

中国の北京で10月12日に行なわれたペリカンズとのプレシーズンゲームにパワーフォワードとして出場したオヌワクは、第4クォーター残り3分22秒にフリースローラインに立つと、アンダーハンドからのシュートを2本連続して決めた。昨今のNBAではアンダースローを用いる選手がいなかっただけに、真新しく見えてしまう。

オヌワクは、ルイビル大の2年から下手投げでフリースローを投じるように。変更前は47%だった成功率が55%に上昇した。古くは1970年代にウォリアーズで活躍し、引退後バスケットボール殿堂入りを果たしたリック・バリーも、下手投げに転向してからフリースロー成功率が改善した選手として有名だ。

バリーやオヌワクのように、投法を変えることでフリースロー成功率が上がるケースは少なくない。現代のNBAでは、特にセンターの選手にフリースローを苦手にする選手が多い。印象に残るのは、先月殿堂入りを果たしたシャキール・オニール。現役選手ではドワイト・ハワード、アンドレ・ドラモンドの成功率の低さが目立ち、「単に練習していないから」という批判が起こることも多い。

最近アンダーハンドを採用する選手がいないのは、見た目の不恰好さが原因ではないかとも言われている。下手投げでフリースローを放るくらいなら、スタンダードな投法で外すほうがマシと考えている選手も実際にはいるだろう。だが、フリースローはチームの勝敗に直結する重要な得点機会であることを忘れてはならない。

先述したハワードやドラモンドは、競った展開での第4クォーター終盤、フリースロー成功率が低い選手に故意にファウルを仕掛けて点差が開くのを防ぐ『ハック戦術』の対象となることが多い。今シーズンからハック戦術を抑止するため、NBAはルールの一部を改正したものの、フリースロー成功率が低い選手が苦手な分野を克服することの方が、チームにとっては重要だ。

オヌワクが注目されることで、NBA選手としての体裁ばかり気にするよりも、成功率が上がる投法を見つける努力をすべき、という議論が今後起こることになりそうだ。

昨シーズンはわずか35.5%のフリースロー成功率に終わったドラモンド。オヌワクのようにフォーム変更も視野に入れてみてはと思ってしまう。