原修太

千葉で富樫と同等のプレータイムを獲得「責任も増えて楽しいです」

連覇を狙う千葉ジェッツはBリーグ誕生から常にリーグトップクラスの成績を残してきた。生え抜きの原修太はシーズンを重ねるにつれて成長し、今ではチームにとって欠かせない戦力となった。

昨シーズンの後半戦から先発に定着した原は今シーズンもここまで全試合に先発している。そして、平均25.9分のプレータイムで8.6得点、2.5リバウンド、2.4アシストを記録しているが、これらすべてがキャリアハイの数字だ。さらにプレータイムに関してはエースの富樫勇樹と変わらない。原は言う。「今シーズに関してはプレータイムをすごくもらっていますが、プレータイムがセロの時も経験しています。こうやって長い時間出られることはヘッドコーチに信頼してもらっている証だと思うので、30分でも出られるように準備していきたい」

原はBリーグ誕生の直前、2015-16シーズンの後半からアーリーエントリーで千葉に加わった。国士舘大ではエースだったが、その得点能力はNBLで、Bリーグで通用しない。地元出身でファンから愛される存在ではあったが、原は『千葉の秘蔵っ子』の立ち位置に甘んじなかった。オフェンスが通用しないならディフェンスで、当時はベテランの多かったチームで、自分が一番ハッスルしてチームを支える存在になる──そう意識を切り替えたところから、彼のプロキャリアは開けた。

動ける体形をキープしながら筋肉量を増やし、当たり負けしないフィジカルを作り上げ、3&Dとしてジャンプシュートの精度向上に努めた。それで一定の評価を得た今は、ハンドラーにも挑戦している。原がピック&ロールの起点になれば、富樫の負担は減り、千葉のプレーのバリエーションは大きく広がる。

11月14日の新潟アルビレックスBB戦では、28分間のプレータイムで14得点5リバウンド2アシストを記録し、勝利に大きく貢献した。特筆すべきは決勝点を挙げたのも、ロスコ・アレンの同点弾を防いだのも原だったことだ。決勝点のシーンでは相手につかまれながらもボールをプッシュし、身体を寄せてレイアップをねじ込んだ。直後のディフェンスではアレンとミスマッチになるも、その身体の強さを生かし、シュートコースを完全に消して抑えきった。また、アレンだけではなくスコアラーのコービー・パラスを沈黙させるなど、攻守で存在感を放っていた。

千葉は10勝4敗で中断期間を迎えたが、原は「まずまずじゃないかと思います」と謙遜する。それは今の自分に、「もっとやれる」という自信があるからだ。「2年前からピック&ロールやトランジションからのアタックに取り組んできました。それが徐々に出せてきていますし、コーチからも自分のプレーをもらったり、そういう責任も増えて楽しいです。いらないミスがまだ多いので、そこを直していけばもうワンランク上に行けるんじゃないかと思います」

外国籍選手にも当たり負けしないフィジカルを持ち、この数年でドライブのキレやフィニッシュ力も各段に上がっている。トム・ホーバス新ヘッドコーチがそんな原を見落とさないのは当然だ。日本代表で良い経験を積むことができれば、原が言う『ワンランク上の存在』へと一足飛びに到達することも不可能ではない。