「好き放題やられてしまった」と相手が脱帽する猛攻で100得点
群馬クレインサンダーズが11月13日、敵地に乗り込んで琉球ゴールデンキングスと対戦した。22得点11アシストのダブル・ダブルを記録したトレイ・ジョーンズを軸に、持ち味の高速バスケットボールで琉球の堅守を切り崩した群馬が、100-94で点の取り合いを制した。
群馬は出だしからエンジン全開で、ジョーンズを起点に内と外からバランス良く得点を重ねる。「ゲームの入りで群馬さんに好き放題やられてしまいました。リーグでも随一のトランジションチームで、トレイ・ジョーンズ選手がボールプッシュをしてくる、ロングパスを投げてくるの両方のパターンをやられ、ビッグマンがヘルプに行ったところでリバウンドも取られてしまいました」
琉球の桶谷大ヘッドコーチも脱帽する、3ポイントシュート8本中5本成功、フィールドゴール20本中13本成功の攻めを見せた群馬は第1クォーターで35-22とビッグクォーターを作り、第2クォーターに入ってもトランジションは止まらない。2桁のリードをキープして試合を折り返す。
第3クォーターの最初、琉球はドウェイン・エバンス、アレン・ダーラム、小寺ハミルトンゲイリーを同時起用するビッグラインナップを投入して巻き返しを図るが、これが完全に不発。ジョーンズのマークにエバンスをつけたが機能せず、逆に群馬はジョーンズのアシストから笠井康平が3ポイントシュートを決め、リードを20点にまで広げた。
だが、マイケル・パーカーが個人3つ目のファウルでベンチに下がると流れが変わる。群馬はインサイドで劣勢となり、ダーラムのポストプレーを起点にした攻めを止められず追い上げを食らう。そして第4クォーター、残り5分半には岸本隆一に3ポイントシュートを決められて82-83と逆転を許す。それでも群馬は直後にキーナンが3ポイントのシューティングファウルを獲得して再びリードを奪うと、アキ・チェンバースの3ポイントシュートで突き放した。
この日の群馬は「琉球さんに追い付かれた時、自分たちのバスケットボールをやりきるようにと伝えていました」という指揮官トーマス・ウィスマンの指示を遂行。流れが悪い時も自分たちのやるべき強気のアタックを継続したことで相手をファウルトラブルへと追いやり、第4クォーターだけで計17本のフリースローを得て14本を成功させた。こうして試合の主導権を握り続け、粘る琉球を振り切った。
ベテラン司令塔の五十嵐圭の穴を笠井康平、菅原暉が埋める
ウィスマンコーチは、リーグ屈指の難敵からつかんだ勝利の意義を強調する。「勝つのが難しい場所でタフなチームを相手に勝利できたのは私たちにとって大きいです。前半は特にシュートがよく入りました。後半は故障者が出て受け身になり、追いつかれてしまいましたが、そこで選手たちがよく踏ん張ってくれました。琉球のようなトップのチームに勝てたのは収穫です」
この試合、群馬はジョーンズに加え、ジャスティン・キーナンが24得点11リバウンド5アシスト、パーカーが22得点12リバウンドを記録。そしてベテランの五十嵐圭が故障欠場の中、笠井が12得点3アシスト、菅原暉が8得点2アシスト、2人合わせて3ポイントシュート9本中6本成功と司令塔コンビの活躍も大きかった。
ウィスマンも2人の貢献を称える。「水曜日から五十嵐選手が離脱する中、2人は今日の試合もステップアップしてくれました。こういったチャンスをどうつかんでいくのか期待していきたいです。笠井選手が離脱した後、菅原選手が第4クォーターを引っ張ってくれたのはうれしく思います」
これで群馬は6勝7敗としている。今日の試合にも勝ち、琉球とのアウェーゲーム連勝による勝率5割復帰と、これ以上ない形で約3週間のブレイクに入りたい。オンドレイ・バルヴィンが前半途中、笠井が第4クォーター序盤にそれぞれ負傷退場しているのは不安だが、ここを総力戦で乗り切ることができれば、チームは大きなステップアップを果たすことになる。本日18時5分からの第2戦は、そんなターニングポイントになる可能性を持った一戦だ。
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