ドワイト・ハワード

ハワード「今のチームは自分たちがなりたいチームにはほど遠い」

レイカーズは現地11月6日のトレイルブレイザーズ戦に敗れ、5勝5敗と低調なスタートとなっている。レブロン・ジェームズが腹部の痛みで欠場していることに加え、この試合ではアンソニー・デイビスが胃の不調で7分プレーしただけで下がった。試合前に4度吐いたというデイビスは「試合に出れば大丈夫かもしれない」との理由で強行出場したものの、本来プレーできる状態ではなかった。デイビスがプレーを断念するドタバタの間、3分半でデイミアン・リラードとユスフ・ヌルキッチを軸に12連続得点を奪われ、第1クォーターを終えて14-36と大差を付けられた。結局、このビハインドを覆すことができず敗れている。

レブロンとデイビスが不在で、『ビッグ3』の残る一人であるラッセル・ウェストブルックがチームを引っ張るべきだったが、彼はいまだに新しいチームメートにフィットせず、苦しい試行錯誤の真っ只中にいる。29分の出場でフィールドゴール13本中成功わずか1本とシュートは絶不調。6アシストに対してターンオーバーも6と、むしろチームの足を引っ張った。

シーズン始動の際、ウェストブルックについてフランク・ボーゲルは「これでレブロンやAD(デイビス)がいない時間帯に対応できる」と言い、レブロンは「彼が誰かのためにプレースタイルを変える必要はない。自分らしくやってくれればそれでいい」と語ったが、今のところその目論見は外れている。時間が解決するのか、それとも根本的に噛み合わないのかの疑念は大きくなりつつある。

この夏、レブロンはリラードを勧誘していた。ブレイザーズへの忠誠が揺らいでいたのは間違いないが、それでもリラードは移籍する決心が付かずに残留を決めている。その後に獲得を決めたのがウェストブルックだ。ボーゲルの仕掛けるダブルチームをパスとドライブで簡単にかいくぐり、オフェンスを牽引するリラードのプレーを、欠場中のレブロンはどんな思いで眺めていたのだろうか。

しかし、レイカーズの低調なパフォーマンスのすべてをウェストブルック個人のせいにはできない。ブレイザーズ戦では経験ある選手すべてが期待を大きく下回るプレーに終始した。レブロンが欠場、デイビスも早々に下がったことで、勝つ意欲を失ったように見える。

カーメロ・アンソニーは「試合のほとんどの部分で、僕たちはバスケットボールをしていなかった。ハードにプレーできなかった」と語る。直近の2シーズンをブレイザーズで過ごした彼には、沈んでいたキャリアを復活させてもらった恩がある。試合開始前にはかつてのチームメートたちと抱擁を交わして健闘を誓ったが、彼もまたチームの低調に巻き込まれた。

才能ある選手をどれだけそろえても、ハードワークができなければNBAで勝つことはできない。この日、ベンチから15分の出場で11得点7リバウンドを記録したドワイト・ハワードは、数少ない『それなりに頑張った選手』だった。「全員がもっと良いプレーができるはずだ」と彼は言う。「僕たちは優勝を目指しているけど、今のチームは自分たちがなりたいチームにはほど遠い。まずはそれを認めなきゃいけない。謙虚にやっていくしかないよ」

レイカーズはスーパースターと経験豊富な選手を集めながら、簡単なミスを連発してすぐに勝負をあきらめてしまうチームになっている。勝利の文化はあるが、それを維持するには一人ひとりのハードワークが欠かせない。レブロンの復帰にはまだ少しかかりそうだが、彼が戻って来る前に残る選手が本来あるべき『勝利の文化』を示せるかどうか。これがレイカーズにとっては非常に重要となる。