チームに有害な行為をしたとして、1試合の出場停止処分を受けたシモンズ
球団へのトレード要求、トレーニングキャンプへの合流拒否とシーズンオフを通して悪化の一途をたどり続けたセブンティシクサーズとベン・シモンズの一件は、シモンズが現地17日にチームに合流したことで解決へと向かったかのように思えた。
しかし、シモンズは17日から練習に参加してはいるものの、やる気のない態度や練習後のハドルには加わらない姿が見られた。19日の練習中には指揮官ドック・リバースが命じたドリルを何度も拒み、練習から追い出されたと『ESPN』が報じた。また、シモンズが練習中にチームに有害な行為をしたとして、1試合の出場停止処分を科したとシクサーズは発表した。
その練習後の会見でリバースは「今日の彼は集中していなかった」と、シモンズについてコメントした。「みんながやっていることを、彼はやりたくないように見えた。でも、大したことではない。私はただ、彼に『去るべきだ』と伝えただけ。私たちはその後も練習を続けたよ」
1試合の出場停止処分を受けたシモンズは、20日に行われるペリカンズとの開幕戦を欠場するが、その後の練習には戻ってくることを期待しているとリバースは言う。そして「毎日、その一瞬一瞬で、ベンにはチームに参加するチャンスを与え、チームの一員として活躍してもらいたいと思っている」と、シモンズがどんな態度を見せても、自身の仕事は変わらないとリバースは語った。
「彼はチームの一員として契約していて、それが変わることはない。すぐに復帰することもあれば、そうじゃないこともある。私はどちらの状況にも置かれたことがあるが、それで構わない。コーチとしての私の仕事は、メンバーに参加してもらうように努力し続けること。残念ながらこの状況はより厳しいものだけど、それが私の仕事だ。私は自分の仕事を止めるつもりはない」
厳しい表情を見せつつも、冷静に語ったリバースだったが、ジョエル・エンビードは「僕たちの仕事はベビーシッターじゃない」と呆れた表情で現状を語った。「僕たちは勝ちたいんだよ。そのためには、チームメートと良い関係性を築かなければいけない。僕はチームメート全員とそういう関係を築いている」
「ただね、僕たちの仕事は誰かのお守りをすることじゃない。僕たちはコート上で成果を挙げて、ハードにプレーして、試合に勝つために給料をもらっているんだ。そのために給料をもらっているのであって、誰かのお守りをするためにお金をもらっているわけじゃない。それは僕たちの仕事じゃないし、チームメートも同じように感じていると思うよ」
こう正直な気持ちを明かしたエンビードは「僕はチームを良くすること、試合に勝つこと、毎日ハードにプレーすること、今いるメンバーを引っ張っていくことだけに集中している」と言い、「今はあいつのことは気にしていない。彼は自分のしたいことをするだろうけど、僕には無関係だ。フロントが何とかするだろう」と続けた。
バスケットに集中したくても会見で質問されるのはシモンズのことばかりで、シクサーズの一員は心穏やかではないだろう。シクサーズとシモンズの一件が、どういう結末を迎えるのか気になるところだ。