リッキー・ルビオ

セクストンとガーランド、若いガードにとっては最高のお手本に

この2年間、ともに185cmの小さなガードコンビであるコリン・セクストンとダリウス・ガーランドを中心としたキャバリアーズの再建は、期待はあっても先の見えない道にも見えました。個人としては素晴らしいプレーはするものの、チーム全体を活性化するようなプレーメーク能力は発揮できず、ディフェンスのデメリットもあって機能する形が見えてきませんでした。

そんな状況もあって、今オフのキャブズは積極的にトレードに動きました。ポイントガードにリッキー・ルビオを補強すると、ウイングにはシュート力のあるラウリ・マルカネンを獲得。ドラフト3位で指名したエバン・モブリーは、フィジカルな戦いが中心となるビッグマンだけに形になるまで時間がかかりそうですが、プレシーズンでのキャブスは新加入組を中心に、これまでとは様相の違うプレーを見せ始めています。

ベンチからルビオが登場するとコートをワイドに使うゲームメークで一気にオフェンスが活性化し、マルカネンの思い切りの良い3ポイントシュートがスペースを広げてます。ここにシュートとパスの上手いケビン・ラブが合わさることで、ディフェンスを振り回すボールムーブでチャンスを作るようになりました。

ドライブを使って狭いスペースをこじ開けていったセクストン&ガーランドとの違いは明確で、相手ディフェンスを広げられれば今度は2人のドライブが効果的になってきます。ゴール下をねじ込むジャレット・アレンもいるだけに、選手の組み合わせ次第でチームは有機的に機能してきます。

キャバリアーズ

各ポジションに若手有望株を揃えたキャブスですが、チームを動かしたのはベテランのルビオによる試合を組み立てる能力でした。選手個々の能力を上手く引き出し、チームとしてのパフォーマンスを最大化するルビオのポイントガードとしての能力にあらためて感嘆するとともに、若手を成長させていく難しさも感じさせます。

まだシーズンは始まってもいませんが、ルビオの存在はセクストンとガーランドにとって目の前にある最高のお手本になるはず。どうすればチームメートの能力を引き出せるのかを、毎試合学んでいくことになるでしょう。いずれにしても、これまで閉塞感もあったキャブスの再建はルビオによって、大きな道が開かれるかもしれません。