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完全復活のポール・ジョージが打倒キャブズを宣言

アメリカ代表のエキシビションゲームで右足を骨折してから早2年、ペイサーズのポール・ジョージは、昨シーズン自己最多となるレギュラーシーズン81試合に出場し、キャリアハイの1試合平均23.1得点を記録した。

完全復活を果たし、オフにはアメリカ代表の一員としてリオ五輪での金メダル獲得にも貢献。今シーズンもチームのエースとしての活躍に期待がかかる中、昨シーズンの王者キャバリアーズの絶対的存在レブロン・ジェームズに挑戦状を叩きつけた。

『The Vertical』とのインタビューでジョージは、「ペイサーズはキャブズに挑戦できるチームだ。レブロンがいても、自分がイーストのナンバーワンだと思っているよ」と大胆発言。ペイサーズは、ジェームズがヒートに所属した2012-13から2年続けてプレーオフ・カンファレンス決勝で対戦し敗れた苦い経験を持っている。ジョージは、カンファレンス優勝、そしてジェームズを中心とするチームに勝てるかどうかは自分次第と続けた。

「カンファレンス決勝の壁を越えられるかどうかは僕次第だ。それでも自分に自信がある。自分のプレーに確信があるんだ」

2年続けてジェームズとプレーオフでマッチアップし実力を証明したことで、ジョージはNBAを代表するエリート選手の一人して認知されるようになった。本人は、当時の心境と今とでは大分開きがあると話す。

「これまでも恐れていたわけじゃないけど『彼はNBAのベストプレーヤーで、自分は挑戦者という立場』みたいに思っていた。でも今は、『いいぜ、準備はできている。俺はベテランになったし、君も俺も、お互いのことは理解し合っている。やり合おう。決着をつけよう』という感じ。こう考えられるまでに時間もかかったし、ケガに打ち勝つ時間も必要だった。でも、準備は整ったよ」

今後のキャリアを左右しかねない重傷を乗り越え、復活を遂げたジョージの変化は、アメリカ代表でチームメートだったキャブズのカイリー・アービングも五輪に向けた準備期間中に実感し、「以前はなかったオーラのようなものが出ていた」とコメントしたほどだ。ジョージ本人も、『The Vertical』とのインタビューで、これまでとの変化について語っている。

「これまではバスケットボールを自分の仕事として見ていた。でも復帰してからは、本当にバスケットボールが大好きだからという気持ちでやっている。ケガをしてから、燃え上がるような感情が生まれた。大好きなことをもう一度やれることで力を得られている」

東カンファレンスのレベルも上がり、打倒キャブズを目標に掲げるチームは多いが、カンファレンス内で今最も注目されるマッチアップは、ジェームズ対ジョージだろう。現地11月16日にバンカーズライフ・フィールドハウスで行なわれる試合で見られる2人の対決に注目だ。

オリンピックを経験し、凄みが増したジョージ。レブロンを倒す準備はできた。