新生クラブ同士の戦いはサンロッカーズ渋谷に軍配が上がる
終始競り合いながら残り5分の攻防を制した第1戦に続き、横浜ビー・コルセアーズを終盤に突き離したサンロッカーズ渋谷がアウェーでの開幕2連戦を勝利で飾った。
「昨日の試合の反省点の一つは渋谷に3ポイントシュートを打たれ過ぎたこと。今日はそこを警戒して臨んだ」(青木勇人ヘッドコーチ)という横浜だったが、渋谷はこの日も立ち上がりから果敢にゴールを狙う。広瀬健太、大塚裕士、アールティー・グイン、ベンドラメ礼生の3ポイントシュートが小気味よく次々とネットを揺らし、19-15とリードを奪った。
第2クォーターに入ると渋谷の外角シュートが落ち始めるが、代わりに存在感を見せたのは満原優樹のインサイドプレイだ。ゴール下でねじ込んだ2本のシュートで流れを渡さず、アイラ・ブラウンのダンクシュートも飛び出した渋谷は26-17とリードを広げた。
だが、横浜もここから踏ん張る。ジェイソン・ウォッシュバーンのジャンプシュート、川村卓也の3ポイントシュートで徐々に流れを引き寄せ、36-31の5点差まで押し返して前半を終了。さらに渋谷のイージーミスを見逃すことなく、第3クォーター残り4分、高島一貴のジャンプシュートでついに42-42の同点に追いついた。
が、その直後、ルーキーのベンドラメが失速した渋谷を救う。躊躇なく放った2本の3ポイントシュートで再びリードを奪い、51-48で最終クォーターへ。3点を追う横浜は好調のウォッシュバーンにボールを集め食らいついていくが、渋谷はディフェンスのギアを一段上げ横浜の24秒バイオレーションを誘発させると、攻めてはグインがこのクォーターだけで15得点と爆発し、横浜の追撃を見事に断ち切った。
乗らせたら怖い川村をチーム一丸のディフェンスで封じる
第4クォーター、勝負どころの攻防が勝敗を決する展開は2戦ともに共通したものだったが、試合を通して渋谷が勝っていたのはチーム一丸となったディフェンス力と言える。乗らせたら誰より怖いシューター川村を広瀬が徹底的にマーク。メンバーチェンジでチェンバース・アキがマッチアップする時にはボールマンに対するマークを強化することで横浜のパスにプレッシャーをかけた。
これにより横浜は両ウイングに容易にパスが落とせなくなり、ガードがボールを保持する時間が長くなる傾向が目立った。第4クォーター開始早々24秒バイオレーションを連発したことも攻め手に苦しんだ証拠だろう。
それらを含め青木ヘッドコーチは「ウチは今シーズン、8人の選手が入れ替わった。お互いを知って、連携を築いていくことが最大の課題」と語る。その意味では、竹田謙、蒲谷正之、山田謙治などベテラン選手が多いことも利点となるはず。その課題がどのようにクリアされていくのか、次週に控える川崎ブレイブサンダースとの『神奈川決戦』に期待したい。
一方の渋谷もまたメンバーが一新したクラブの一つ。「勝てたとはいえ今回フリースローが9/17だったことに不安が残る」と語ったBTテーブスヘッドコーチだが、活躍したルーキーについて質問が飛ぶと「ベンドラメの働きには満足している。若手がミスを恐れずどんどん成長していくことでうちの戦力も大きくアップするはず」と苦い表情が笑顔に変わった。次週もアウェーの戦いとなるが、2連勝の勢いを味方に新潟アルビレッツBBが待ち受ける敵地に乗り込みたいところだ。