低調に終わった3ポイントシュート「自分たちのリズムで打てなかった」
バスケットボール女子日本代表はアメリカとのグループリーグ第2戦に臨んだ。生命線である3ポイントシュートが高確率で決まって第1クォーターをリードしたが、その後はシュート精度が上がらずに69-86で敗れた。
日本はアメリカの倍近い38本もの3ポイントシュートを放ったが、成功率は26.3%と低調だった。高さの不利を覆すために3ポイントシュートを多投する戦略は間違っていない。日本はそのために3ポイントシュートに磨きを掛けてきた。しかし、アメリカの身長、ウイングスパンの長さが日本のシュートタッチを狂わせた。髙田真希は言う。
「リングにアタックしていく中で『行けるな』って思ってもブロックに遭いました。一回ブロックされると意識してしまって、練習でやっているような自分たちのリズムで打てなかったです」
アメリカのブロックショット数は6を記録。ブロックを意識するだけでもシュートの成功率は下がり、打つこと自体をためらってしまうもの。それで最後までオフェンスにリズムが生まれなかった。髙田は「自分たちが勝手に止まってしまった」と分析しつつ、解決法をこのように語った。
「オフェンスでもミスマッチをよく突けていたんですけど、そこばかりに頼ってしまい、1対1を見てしまいました。そこは良いところでもあり、悪いところでもありました。ボールがないところでのオフボールスクリーンを増やしていかないといけないです。それができていた時は良いチャンスも生まれていたし、それができれば1対1のスペースも空くので。共通理解が必要です」
このようにリズムが生まれなかった要因を語った髙田だが、リズムを作る上で最も大事なことはディフェンスだと言う。タフなディフェンスからターンオーバーを誘発し、トランジションに持ち込むことが日本の理想の形で、それができていた時間帯のパフォーマンスは素晴らしかった。髙田も「ディフェンスでアグレッシブに前から当たるのは大事ですし、相手が嫌がっている印象も受けました」とディフェンスでの手応えを語った。
「バスケットを分かっているなと感じました」
実際に日本はアメリカから17ものターンオーバーを誘発し、ポゼッション数では10上回った。それでも、最強のアメリカを倒すには至らなかった。課題と収穫が多く見つかった試合を髙田はこう総括した。
「第1クォーターで逆転できたのも、アグレッシブなディフェンスからミスを誘えて、自分たちのオフェンスのペースに持って行けたからです。でも相手もアジャストしてきて、なかなか前に持って行けなくなりました。自分たちが勝つには40分間足を動かしたディフェンスをすることが絶対条件で、それをしなけれなやっぱり勝てないと肌で感じました」
日本はオールコートディフェンスやトラップディフェンスを駆使し、高さの不利を埋めようとした。8スティールという数字が物語るように、日本のディフェンスは機能していたと言える。それでも、相手の弱点を突くしたたかさがアメリカにはあり、髙田も「やっぱり、バスケットを分かっているなと感じました」と絶対王者の強さを認めた。
次のナイジェリア戦に勝利すれば決勝トーナメント進出は確実で、アメリカとはメダルを懸けて再戦する可能性もある。「今日で分かりました。自分たちは修正して臨めるメンバーが揃っている」とチームを信頼する髙田は、アメリカへのリベンジを静かに狙っている。