文=丸山素行 写真=野口岳彦

bj準優勝チームは戦力もスタイルも刷新してBリーグに挑む

間もなく開幕を迎えるBリーグ。どのチームも選手の補強やプレシーズンマッチを行い、開幕への準備はほぼ整いつつある。

旧bjリーグのラストシーズンを準優勝で飾った富山グラウジーズは今夏、3ポイントシュートを得意とする岡田優と、高さと強さを兼ね備えた強心臓の宇都直輝を獲得し得点力を増した。高い身体能力を生かした玄人好みの点取り屋の水戸健史も健在である。

高い得点力を誇るコンボガードで、チームの『顔』でもある城宝匡史がチームの現状を語ってくれた。「プレシーズンマッチを結構やったんですけど、ここまですべてクォーターごとで出場時間を分けて、プレータイムをシェアしています。僕は第1クォーターと第3クォーターだけに出て、宇都と岡田は第2クォーターと第4クォーターの出場でしたね」

9月10日に行われた京都ハンナリーズとのプレシーズンゲームは73-74で敗れたが、ベンチワークを行わない状況で戦ったことを考えれば、今後に期待が持てる内容だったと言える。「これからプレータイムを決めていくので、そこでどうなるのか楽しみです」と、個性派集団のチームケミストリーが持つポテンシャルを城宝自身も楽しみにしている様子だ。

さらには元NBA選手で身長211cmとサイズのあるアール・バロンの獲得に成功。これでセンター陣に厚みが増し、高さ対策も万全となった。

Bリーグに挑むにあたり、グラウジーズを強豪に押し上げたヘッドコーチ、ボブ・ナッシュは、これまでのハーフコートオフェンス主体のバスケットから素早いトランジションを軸とした攻撃的なチームスタイルへの切り替えを行っている。城宝は言う。「システムを変えてたくさん点を取ろうとしています。宇都と水戸は走るのが好きなのでどんどん走ってオフェンシブなチームを目指しています」

城宝は開幕に向けた意気込みを、自信に満ちた表情で語ってくれた。「bjリーグでも活躍できたのでそのままトップリーグでも、という気持ちがあります。34歳ですがもっと努力してステップアップして、このリーグでも必ず活躍したいと思います」

戦力を充実させ、新たなバスケットボールを武器にBリーグに挑む富山グラウジーズ。開幕戦は9月24日、新潟アルビレックスBBをホームアリーナの富山市総合体育館に迎える。