女子日本代表

連携面に課題も、代表生き残りを懸ける選手たちが攻守に奮闘

バスケットボール女子日本代表が横浜武道館にポルトガル代表を迎えて3試合を戦う『三井不動産カップ2021』。6月10日に行われた初戦で69-47の快勝を収めた日本代表は、中1日を挟んで再びポルトガル代表と対戦した。

日本の先発は安間志織、三好南穂、赤穂ひまわり、長岡萌映子、髙田真希。新型コロナウイルスの影響で去年は日本代表としての活動がほとんどできず、1年4カ月ぶりの試合となった第1戦ではリズムをつかむのに苦労したが、この試合ではティップオフからエンジン全開だった。サイズのあるポルトガル代表の圧力に動じず仕掛けた髙田がフリースローで日本に最初の得点をもたらずと、安間が力強いボールプッシュで流れを作り出し、ゴール下へカットする長岡への合わせも決まって波に乗る。誰よりもアグレッシブに走る赤穂がスペースを突いて相手ディフェンスを振り回し、開始5分で三好の3ポイントシュートが決まり11-2と突き放した。

ポルトガルがここでタイムアウトを取ったのを機に、日本は5人すべてを交代させる。ここから選手を細かく入れ替えながら、様々な組み合わせをテストした。その中で攻めでは連携面でイージーなミスが相次ぐなど課題はあったが、ディフェンスでは全員がハードワークし、インサイドに簡単にボールを入れさせず、外に展開しても素早いローテーションで簡単にシュートを打たせない。安間がチェンジ・オブ・ペースで大きいディフェンスの間をかいくぐるブザービーターを決め、38-21とリードして前半を終えた。

後半の立ち上がりに10点差まで詰め寄られたものの、三好の3ポイントシュートで相手のランを断ち切ると、安間と東藤なな子がゲームを立て直すことで20点差まで突き放して最終クォーターへ。ラスト10分は大黒柱の髙田をベンチに置いたまま、多くの選手にプレータイムを与えながらディフェンスの強度は高く保ち続け、68-43と相手を突き放して勝利した。

三好は4本の3ポイントシュート成功で12得点、第1戦に続きゲームハイの得点を記録した。またベンチから出てインサイドで身体を張ったディフェンスとリバウンドで奮闘したオコエ桃仁花は、そこから素早い攻めへと切り替えて三好と並ぶ12得点を挙げている。

17アシストに対してターンオーバーが17と、選手それぞれが良いプレーをする中でもチームとしての連係が噛み合わなかった部分はある。指揮官のトム・ホーバスは「相手のフィジカルに負けずにアタックすることができていた」と評価しつつも、「明日はウチのきれいな速いバスケットを見せたい」と最終戦に向けて質を高めることをファンに約束した。