サンズ

モンティは意に介さず「ティブスは一緒に働いてきた兄弟だ」

デビン・ブッカーは6年のNBAキャリアにおいて過小評価され続けてきた。そのシュート力を高く買われながらも、NBAオールスターの選出には漏れ続けている。この2年連続で彼はNBAオールスターに参加しているが、昨シーズンはデイミアン・リラードが、今シーズンはアンソニー・デイビスがケガで出場を辞退した代替での出場であり、オールスター選手の発表で名前が呼ばれたことはいまだに一度もない。

2020年2月のオールスターで選外となった時には「僕が子供の頃にあこがれたのはベストプレーヤーが集まるオールスターだ。今はエンタテインメントでありドラマであり政治で、僕が好きだったオールスターじゃない」と失望を露わにしている。

その経験があるだけに、『コーチ・オブ・ザ・イヤー』から自分たちのヘッドコーチであるモンティ・ウィリアムズが漏れたことに黙っていられなかった。『コーチ・オブ・ザ・イヤー』はジャーナリストの投票によるもので、1位票はシボドーの43票に対してモンティが45票と上回っている。しかし、2位票がモンティの32に対しシボドーは42を集め、総合ポイントでわずかに上回った。

ここで評価が定まらないのはメディアの投票が入っているからで、東海岸の大都市に有利なバイアスが働いているとブッカーは感じているのだろう。だからこそ、プレーオフ中の会見であるにもかかわらず、彼は「モンティには間違いなくその資格がある」と、この件について語り始めた。

「ティブス(トム・シボドー)やクイン・スナイダーを悪く言うつもりはないけど、僕の答えは明確だ。モンティはサンズに来て、このチームの文化を変えた。練習場もスタッフも変わり、僕たちが納得して愛情を向けられる文化を作ってくれた。毎日の練習に来るのが楽しくなるようなもの、それが文化だと思うし、それはモンティがもたらしたものだ」

しかし、全米バスケットボールコーチ協会による、NBA全30チームの投票で決められる『NBCAコーチ・オブ・ザ・イヤー』ではモンティが受賞している。この時にモンティは「同業者から認められたことは信じられないほどの名誉だ。挑戦のシーズンになったが、選手もスタッフも日々一生懸命に努力してくれた。彼らのおかげで、私はより良いコーチになり、より良い人間になることができた」とコメントしている。

そしてモンティは『コーチ・オブ・ザ・イヤー』から漏れたことを苦にしていない。モンティとシボドーは、2014年から2016年までアメリカ代表のアシスタントコーチをともに務め、リオ五輪を戦った間柄。モンティはシボドーの受賞を受け入れ、「ティブスがどれだけ努力しているか、それがチームの戦いぶりに反映されていたのを見ているからね。ティブスは一緒に働いてきた兄弟であり、偉業を成し遂げるのはクールだよ」とコメントしている。