アンソニー・デイビス

第6戦出場に意欲を燃やすデイビス「試合を眺めるのは辛い」

85-115。サンズとのプレーオフファーストラウンド第5戦は、前年王者のレイカーズにとって屈辱的な結果に終わった。『屈辱的』という言葉は使うべきではないのかもしれない。前半のうちにレイカーズの選手たちは勝負をあきらめてしまったようにも見え、屈辱を感じるほど勝敗に執着しているようには見えなかったのだから。前半終了時点で36-66と30点差を付けられ、選手起用からもこの試合をひっくり返してやろうという意図は感じられなかった。

レブロン・ジェームズはチーム最長の32分プレーして24得点を挙げたが、背中でチームを引っ張るというよりは、背負うものの重さをただ感じているだけに見えた。第4クォーターにプレーすることはなく、試合が終わるのを待たずしてロッカールームへと引き上げた。試合後の会見では「ケツを蹴り上げられた」と語っている。

アンソニー・デイビスは鼠径部のケガで欠場した。最後まで出場の可能性を探り、試合開始2時間前にコートに出て状態をチェックしたが、欠場の判断が下された。試合開始前、デイビスはチームメートに様々な指示を送り、チームの雰囲気を盛り上げようと声を出していたが、彼自身の不在を埋めるだけの効果はなかった。

悔しい敗戦から一夜明けて、デイビスが会見に応じた。「膝を伸ばしてしまい、その痛みを感じながらプレーを続けていて、無理が鼠径部に来てしまった。痛みが来た瞬間、本当に動けなくなった。でも、状態は良くなりつつある。ドクターの出場許可が出るのを願っているよ。今日も明日もリハビリをして、動きをチェックして、明日の試合直前に判断することになる」と彼は言う。

「チームを助けられず、試合を眺めているだけなのは辛いよ。でも、プレーオフは3勝じゃ勝てない。30点差で勝とうが3勝じゃダメだし、30点差で負けても3敗なら終わってはいない。明日も同じだ。明日の第6戦で勝っても、僕らがシリーズに勝つわけじゃない。ホームコートを守って第7戦に進む、という気持ちが大事だ」

レブロンは言う。「この時点では勝つか終わりかだ。だからすべての弾丸を打ち尽くすまでやるし、弾がなくなれば銃も投げる」。この強い気持ちを第6戦までにチームにどれだけ浸透させられるか。レイカーズがこの窮地から脱するには、デイビスのコンディションと同じぐらい重要だ。