ドノバン・ミッチェル

写真=Getty Images

地元のアップルストアでiPhone修理代金を肩代わり

ジャズのドノバン・ミッチェルは、まさに彗星のごとく1年目からNBAスターダムにのし上がった選手の代表格だ。

昨年のオフに生え抜きエースのゴードン・ヘイワードがセルティックスに移籍した影響は大きく、ジャズはしばらく西カンファレンスの下位に低迷する、という意見もあった。だがミッチェルというスーパールーキーの登場により、チームは西の5位でプレーオフに勝ち進み、格上のサンダーを破ってカンファレンス・セミファイナルにまで進出した。ミッチェルは平均20.5得点、3.7リバウンド、3.7アシストという成績を残し、新人王最終候補にも選出されるほどの活躍を見せた。

そして今、そのミッチェルがソルトレイクシティーで取ったある行動が称賛されている。

8月1日に、ソルトレイクシティーに住むアンドリュー・シメオナという青年が、学習障害を持つ弟をアップルストアに連れて行き、画面が粉々に破損していたiPhoneの修理を依頼した時の話だ。

アップルストアのスタッフと技術者は、iPhoneの破損状況を確認し、修理するには高額な金額がかかることを彼らに伝えた。2人に支払える金額を大きく上回っていたため、泣く泣く修理を諦めようとした時だった。なんと、偶然にも同じ店内にいたミッチェルが彼らとスタッフのやり取りを聞き、「いくらかかるんだい?」と話しかけてきたという。

『Yahoo』の取材を受けたシメオナは「弟は明らかに気落ちしていて、『わかりました』と言ってiPhoneをポケットにしまったんだ。そうしたらドノバンが僕たちに話しかけてくれて、彼が修理代金を支払ってくれた」と、この時の状況を振り返った。

「弟にとって最良の日になった。落胆していた弟を見たドノバンが、救いの手を差し伸べてくれたんだ。ドノバンの人柄が良く分かった。本当に感謝してもしきれない。彼が善意のある行動を取る人ということが分かるし、このコミュニティに思いやりを持って接してくれている。うちの家族は、彼を心から尊敬しているよ」

ミッチェルの厚意に助けられたシメオナは、Twitterにこのエピソードを投稿すると、ミッチェル本人が返信。「力になれてうれしかったよ!」と書き込んだ。

シメオナによれば、弟は最後までミッチェルがジャズのスター選手ということを分かっていなかったそうだ。だが、この日のミッチェルの行動は、彼の記憶に生涯残り続けるに違いない。