ハリソン・バーンズ

写真=Getty Images

勝てない日々の中でも成長、新シーズンの飛躍を誓う

ハリソン・バーンズにとって、マーベリックスでの2年間は真新しい経験だった。

2016年の夏にフリーエージェントになったバーンズは、常勝軍団のウォリアーズから再建期に入ったマブスに移籍。『勝って当然』のウォリアーズとは何もかもが違い、勝てない日々を経験した。選手としてはフラストレーションが溜まっただろうが、26歳になった彼が精神的なたくましさを増したように見える。

『マブスのエース』としての姿が徐々に板についてきたバーンズは、移籍からの2シーズンについて「難しかった」と『ESPN』に語った。

「これまでのプロセスに対する感謝の気持ちが増したね。チーム作り、毎試合での競争、勝敗を分ける部分についても理解できた。2年前は33勝で、昨シーズンは24勝。5点差以内で負けた試合が30も出てくると、些細なプレーが勝敗に影響を及ぼすことが身に染みて分かるようになる。僕はこの2年間では、そういうことを学んだのさ」

苦しい日々が続いたものの、マブスはようやく長いトンネルから抜け出そうとしている。19歳にして欧州のタイトルを総ナメにしたルカ・ドンチッチをNBAの舞台へと迎え入れ、大物フリーエージェント選手のディアンドレ・ジョーダンの獲得にも成功。今オフの積極補強により、少なくともプレーオフ進出を狙えるだけの戦力を手に入れた。

バーンズも新戦力について興奮している。「スーパーエキサイティングだ。彼らの加入で、僕たちがやろうとしていることを進められる。すぐチームに良い影響を与えてくれるだろうし、インパクトも残してくれると思う。確実にレベルアップしたと思うね」

年間73勝9敗というNBA最多勝利記録を更新した偉大なチームから移籍すれば、どこに行っても戸惑って当然だ。ましてやマブスは、引退が近づいているダーク・ノビツキー時代からの世代交代を推し進めるためにバーンズを獲得した。つまり、彼にはチームの柱に求められることを学ぶ必要もあった。

バーンズがこの2年で得たものは、シューターとしての役割に徹すれば良かったウォリアーズでは経験できなかったことばかり。若手とベテランのバランスが整いつつあるマブスを3年ぶりのプレーオフに導けるかどうかは、バーンズのリーダーシップにかかっている。