長野の3ポイントシュートで逃げ切り
千葉ジェッツvsシーホース三河の第2戦は1ポゼッション差を争う接戦となったが、長野誠史の3ポイントシュートが決勝点となり、三河が87-85で勝利した。
三河は金丸晃輔が欠場し、高橋耕陽が開始7分で個人3つ目のファウルをコールされベンチで長い時間を過ごすことに。さらに第1クォーター残り2分半の場面では、川村卓也がセバスチャン・サイズと接触した際にももを負傷して、その後出場することができなかった。
序盤からサイズを筆頭としたインサイド陣に制空権を握られ、前半のオフェンスリバウンドは4-12と大きく水をあけられた。セカンドチャンスポイントでも2-12と苦しい状況となったが、3ポイントシュートを13本中2本の成功に抑えるなど、粘りのディフェンスが機能した。
オフェンスでは、ダバンテ・ガードナーがタフショットを難なく沈めて前半だけで16得点を記録。千葉のペースで試合は進んでいたが、3点ビハインドと食らいついた。
そして後半に入り、ボールを何度も弾いてマイボールにするなど、三河はボールへの執着心で上回った。高橋は3ファウルながらもアグレッシブにアタックし、熊谷航も3ポイントシュートにドライブと積極的なプレーを披露し逆転に成功。その後は1、2ポゼッション差で推移する接戦が最後まで続いた。
勝負を分けたのは、長野の3ポイントシュートだった。三河が2点ビハインドで迎えた残り28秒、ガードナーがポストプレーで押し込み、ヘルプが寄った瞬間に長野へパスを送る。長野が思い切りよく放った3ポイントシュートが決まり、土壇場で2点をリードした。直後、富樫勇樹の3ポイントシュートのこぼれ球をサイズが拾いシュートファウルを獲得するも、フリースローを1本外してしまい同点のチャンスを逸したことで三河が逃げ切った。
鈴木ヘッドコーチはパスアウトの重要性を強調
三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「今日はしっかりオープンな選手にパスをして、その選手たちが思い切って打ったシュートが決まって勝てたと思います」と試合を振り返った。
ガードナーは5本中4本の3ポイントシュートを成功させ、フリースローも14本中13本を成功させるハイパフォーマンスでゲームハイの37得点を記録した。彼が苦しい時間帯を繋いだことは間違いないが、チームハイの5アシストを記録しているように、ガードナーの力押しだけではなかったことが勝利に繋がった。
鈴木ヘッドコーチも言う。「ガードナーはもちろん大きかったですが、彼がしっかりオープンにパスをして、勝負どころでシュートが決まった。3人いるところに攻めていたら、また負けるパターンになっていた。オープンにパスをすることが重要だということを再確認したと思う」
一方、千葉の大野篤史ヘッドコーチは「ターンオーバーの質が課題」と語った。実際、千葉はターンオーバーから25失点を喫した。大野ヘッドコーチはターンオーバーの種類を説明しつつ、「チープなターンオーバーを減らさないといけない」と言う。
「ゴールに向かっていくドライブやパスのターンオーバーは、ゴールの近くなのでそこまで悪いものではない。ただ、ボールラインが上のほうで起きるターンオーバーは、トランジションディフェンスで苦しくなってしまうのでチープです。シチュエーションにもよりますが迷ってパスをしたり、得点に直結してしまうターンオーバーもチープなものです」
東西の上位対決は1勝1敗の痛み分けとなった。特に三河は主力が離脱した状況での勝利とあってその価値は大きく、鈴木ヘッドコーチが「苦しい状況でもディフェンスをしっかり頑張れば勝てるということがみんな分かったと思う」と振り返るほどだった。