価値が変動し、二次流通での売買が可能
仙台89ERSは日本のプロバスケットボールチームとして初めて『クラブトークン』を導入した。
10年前の東日本大震災により解散の危機に陥った仙台89ERSだが、地元の多くの支えにより危機を乗り越え、Bリーグの時代を迎えるに至った。今シーズンは『つなぐ』をコンセプトに『NINERS HOOP』と題した積極的な地域貢献活動を行なっている。その取り組みの一つとして行われるのが、未来を担う子供たちに特別な機会を提供し、青少年の健全育成に寄与する『NINERS HOOP GAME』というプロジェクト。これを盛り上げるために、仙台89ERSクラブトークンを発行することになった。
『クラブトークン』はブロックチェーンで発行、管理されるもので、イメージとしては金融商品ではないものの株券に近い。今は初期サポーター募集として新規配布される200万トークンが販売されている。この200万トークンは集まった金額に応じて購入者に振り分けられる。100万円が集まれば1円あたり2トークンが、200万円が集まれば1円あたり1トークンといった形で、1トークンあたりの価値はまずこの新規配布でどれだけの需要があるかによって決まる。
トークンを保有していれば、株でいうところの株主優待のように特典が得られる。仙台89ERSの場合はトークン保有者のみが参加できる定期開催の企画投票を開催予定だ。
またこのトークンは新規配布期間が終了した後には株式のように売買が可能。トークンを欲しい人が増えれば価値も上がり、初期から支えていたファンは消費するだけでなく資産的な価値を保有しながらチームを応援することができる。
チームにとっては通常のアイテム販売のように初期に売上を立てられる。今回のトークン発行で得られる収益は『NINERS HOOP GAME』の企画運営にあてられるが、それと同時に新たなファンとの体験型マーケティングを提供できる。またトークン自体に二次流通での値上がりの可能性があるため、その期待から関係人口も増える。
新型コロナウイルスの影響がどこまで続くか分からず、ファンを会場に集めるハードルはこれからも高いはず。仙台はこの『クラブトークン』を販売するにあたり、様々な特典を用意して『NINERS HOOP GAME』を迎えようとしている。