「フィラデルフィアのファンはいつも僕を応援してくれていて、感謝している」
現地3月7日のNBAオールスターに出場予定だったセブンティシクサーズのジョエル・エンビードとベン・シモンズは、新型コロナウイルスの健康安全プロトコルの対象となり、大会直前になって欠場することとなった。
『ESPN』によると、2人は新型コロナウイルス検査で陰性だったが、陽性反応が見られた理容師と数日前に接触していたことから濃厚接触者と見られ、急遽欠場するになったという。
エンビードは今回のオールスターが4度目の選出となり、今シーズンは平均30.2得点、フィールドゴール成功率52.1%、3ポイントシュート成功率41.6%、1.2スティールと軒並みキャリアハイを更新する活躍でチームを引っ張り、シクサーズの東カンファレンス1位に大きく貢献している。
また、エンビードはシーズン前半の30試合で合計905得点、348リバウンド、41ブロックを記録。この記録を挙げたNBA選手は、バスケットボール殿堂入りを果たしているカリーム・アブドゥル・ジャバーとボブ・マカドゥしかいない。キャリア5年目にして、偉大な選手と同じ記録を叩き出したエンビードは、コート外でも様々な活動を行っている。
大会開催の前日6日には、オールスターで得る収入を含めた10万ドル(約1080万円)を、フィラデルフィアの複数のホームレスシェルターに寄付することをクラブを通して発表していた。
その内容は、ホームレスやサービスが行き届いていない人へ1万5000食を提供、4000点の衣料品寄付、新型コロナウイルスのワクチンを受けたホームレス1000人に対するケアや治療、元ホームレスの家族に対する教育、医療、雇用の支援、ホームレスや非行に走っている青少年を対象とした6週間のサマーキャンプの実施、シェルターや生活に必要なものを提供して地域のホームレスや青少年を支援するというものだ。
エンビードはこのように声明を発表している。「このパンデミックによって、多くの人々が生活を送るのに困難な状況に陥っている。僕はホームレス、そして食糧難に苦しむ人や家族に、より多くのサポートをすることが重要だと感じていた。フィラデルフィアのファンはオールスターの時期だけでなく、シーズンを通していつも僕を応援してくれている。彼らのサポートに感謝している。僕はこれからもできる限りのサポートを続けていきたい」
残念ながら今年のオールスターゲームには出場できなかったが、コート内外でフィラデルフィアのために奮闘するエンビードの思いは、ファンや地域の人に届いているはずだ。