「僕らは正しい方向へと一歩ずつ進んでいるんだ」

ネッツはここまで2勝12敗で、リーグの最下位グループに沈んでいる。ここまで勝利した相手はペイサーズとウィザーズで、いずれも下位チームだった。現地11月18日のセルティックス戦では、第4クォーター残り8分で同点という競った展開となったが、そこから9-23のランを浴びて敗れた。

一度は2桁のビハインドを背負いながら、セカンドユニットの時間帯で巻き返したが、主力同士が激突したクラッチタイムに明確な差が出た。ホームで悔しい敗戦ではあったが、ヘッドコーチのジョルディ・フェルナンデスは「勝つには十分ではなかったが、選手たちは高い基準と期待を持って戦った。セカンドユニットが素晴らしいプレーをして、チーム全体が互いをサポートしていた」と語り、課題よりも収穫に目を向けた。

そのネッツで奮起しているのがマイケル・ポーターJr.だ。今夏にナゲッツから加入した彼は、ナゲッツの3番手ないしは4番手という立場からエースとなり、チームで最も長いプレータイムを得て(32.6分)、最も多くのシュートを放ち(フィールドゴール試投数18.0)、最も多くの得点を奪い(24.2得点)、リバウンドでもトップ(7.7)に立っている。

これまでの彼はキャリアを通じてニコラ・ヨキッチと一緒にプレーしていた。ナゲッツのどの選手も、ヨキッチのおかげで強力なバフを得られる。タイミング良く走ればパスが出てくるし、コーナーで待っているだけでもパスが出て、1試合で何度かのイージーチャンスを得られる。ポーターJr.は健康でありさえすれば平均18点前後をマークしていたが、その何割かは『ジョーカー効果』と見られていた。だが、今の彼の得点は24.2と大きく伸びている。

指揮官フェルナンデスは「彼はこれまで見せなかった才能を見せるつもりだ」とポーターJr.について語る。「最近はカットからのフィニッシュを増やし、無駄な動きを控えながらリングにプレッシャーを掛けることで、チーム全体がメリットを得られている。その変化は彼自身にもメリットをもたらしている」

ヨキッチがいないネッツで、ポーターJr.はオンボールでプレーして相手ディフェンスを引き付け、そこからパスを出すことでチームメートを巻き込もうとしていた。だが、考えを改め、自分の得意なカッティングを増やし、味方のパスを引き出そうとしている。

「ナゲッツで僕のカッティングが上手く決まったのはヨキッチのおかげだと思っていただろう?」とポーターJr.は言う。「でも僕はもともとカットが得意なんだ。走って相手の裏を取れば、体格を生かして得点できる。その武器をこのチームでも使うべきだと思った。ニック(クラクストン)もデイロン(シャープ)もパスが上手くて、イージーシュートのチャンスを生み出してくれる」

もっとも、チームは勝てていない。現地14日のマジック戦も残り2分にリードしていながら競り負けた。セルティックス戦でも終盤に競り負けた。「チームとしての経験値に差があった。終盤をどう戦うか、その積み重ねがセルティックスにはあった」とポーターJr.は語る。

「クラッチタイムにはこれまでとは別のプレーが必要になる。接戦の終盤ではトランジションを出すのも、イージーシュートのチャンスを見つけるのも難しくなる。その状況でどんなプレーをするのか、僕らはまだ模索しているところだ。若手が多いからだとは言わない。新しい選手のグループだから、チームとしての経験が必要なんだ。僕も含めて全員が、どこでボールが欲しいか、互いにどんなプレーをするべきかの理解を深めていかなきゃいけない」

「でも、進歩しているのは間違いないよ」とポーターJr.は言う。「開幕からの数試合と比べれば、今の僕たちは大きく成長している。そのおかげでマジック戦とセルティックス戦は接戦になった。僕らは正しい方向へと一歩ずつ進んでいるんだ」