ディージェイ・ニュービル

クラッチタイムにニュービルが抜群の得点力を発揮

西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと、2ゲーム差で追う同4位の大阪エヴェッサ。チャンピオンシップ進出を争うライバルによる直接対決は、両チームともオフェンス力が爆発するハイスコアの打ち合いとなった。

大阪は前節に日本人エースの橋本拓哉がアキレス腱断裂の大ケガを負い、攻守に大きな影響が出る不安があったが、全員がエナジーを出すことでその穴を埋める。対する名古屋Dはここでライバルを叩いて3位を盤石なものにしたく、積極的に放つ3ポイントシュートを確率良く決めることで勢いに乗った。前半を終えて、3ポイントシュート成功数で大阪の3に対し9と大きく上回った名古屋Dが52-47と一歩抜け出した。

だが、後半に入ると大阪が試合をひっくり返す。それまでピック&ロールから簡単に打たれていた外のシュートを対策し、中ではジョシュ・ハレルソンがリムプロテクターとして存在感を発揮。アイラ・ブラウンが早々に個人ファウル3つとなったが、橋本不在で簡単にローテーションを崩せない状況でよく我慢しつつ攻守に奮闘を続けた。また得点面で橋本の穴を埋めたのはエリエット・ドンリーで、これまで以上にリムに飛び込む意識が高まったことで合わせのパスを呼び込み、キャリアハイの11得点を記録している。

大阪は第1クォーターから25、27と続いた失点を第3クォーターで13に抑え、73-65と逆転して最終クォーターへ。名古屋Dはシュートタッチ自体が好調であることは変わらず、レオ・ライオンズの外とジャスティン・バーレルの中を使い分けて追い上げを図る。ただ、勝負どころで個人技の勝負となれば、ディージェイ・ニュービルを擁する大阪に分があった。

オフィシャルタイム後の攻めはすべてニュービルが仕掛け、攻めきれなくても持ち直して組み立て直す。ニュービルはアイソレーションから中東泰斗のチェックをモノともせず3ポイントシュートをねじ込み、同じような形から今度はギャレット・スタツやアイラにチャンスをお膳立て。味方のシュートが外れればオフェンスリバウンドを拾い、縦にブチ抜いてレイアップへと持ち込んだ。

10点前後のリードがある上に、ニュービルが高確率で得点に繋げているのだから、名古屋Dがいくら反撃しても届かない。齋藤拓実がタフな3ポイントシュートをねじ込んで逆転への望みを繋いだ直後に、その齋藤をドライブでかわし、ブロックを狙うバーレルの手をフワリと越すシュートを沈めたニュービルのビッグプレーで決着がついた。

最終スコア94-86で大阪が先勝。橋本をケガで失った直後の試合でチーム全体がステップアップして勝てたことは、士気をより高めるはずだ。名古屋Dは14本もの3ポイントシュートを成功させながら(大阪は7)最後まで食い下がることができなかった。ニュービルに攻めさせるアイソレーションへの対策がなければ、明日も同じ展開になりかねい。