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トニー・パーカー不在のフランスに辛うじて勝利

またしても絶対王者が追い詰められた。アメリカは、予選ラウンド最終戦のフランス戦を100-97で制したが、セルビア戦に続いて内容はパッとせず、想定以上の苦戦を強いられた。

少なくとも、金メダルを獲得した過去2大会では見られなかったことだ。しかも、この日のフランスは、司令塔トニー・パーカーが鼠径部の痛みで欠場していた。もしパーカーが出場していたら、結果は違っていたかもしれない。オーストラリア戦、セルビア戦と続く辛勝により、今大会のアメリカには『付け入る隙がある』ということが露呈されてしまった。

もちろん、「内容よりも結果が求められる」という見方は正しい。しかし、今大会のアメリカは、選手個々の能力ではトップレベルでも、チームの完成度では他国に見劣りする場面が目立つ。

13本中7本の3ポイントシュート成功を含む30得点を挙げたクレイ・トンプソンに牽引され、第3クォーター終了時点で81-69と12点をリードした。予選ラウンドの4試合を通して3ポイントシュート16本中3本成功と不振に陥っていたトンプソンだが、この試合では第3クォーター中盤から5本連続で3ポイントシュートを決めた。

ところが、アメリカは勢いを最後まで維持できない。勝利へ意欲を見せるフランスの勢いに飲まれて4-12のランを浴び、85-81と肉薄される。ケビン・デュラントとカーメロ・アンソニーの得点で何とか2ポゼッション以上のリードを維持し、残り2分54秒の時点で95-85とリードを2桁に広げた。

それでも最後までディフェンスはもたついたまま、NBAで活躍するニコラス・バトゥムを中心とするフランスにリズムを作られるなど安定感を欠いた。結果、100-97で勝利して、予選ラウンドを5戦全勝で終えたが、『絶対王者』の風格が感じられる内容ではなかった。

準々決勝ではグループBの4位チームとの対戦。現地15日の試合結果を待つことになるが、こちらのグループは大混戦。アルゼンチン、リトアニア、スペイン、クロアチアによる順位争いが続いており、どこが来るか分からない。どのチームが来ても簡単な試合にはならないはずだ。

中でも当たりたくないのはスペインだろう。開幕2連敗と不甲斐ないスタートを切ったが、その後は内容も良くなっている。過去2大会は決勝でアメリカに煮え湯を飲まされただけに、もし準々決勝で対戦することになれば、並々ならぬ決意で向かってくることは間違いない。

試合後、何人かの選手はビーチバレー女子の準々決勝、アメリカvsオーストラリアの会場を訪れ、チームUSAの仲間を応援した。